久保九段、攻め込む 久保九段は△8九飛成を防がず、▲3四歩と攻め合いを目指しました。△同銀は▲同金△同金▲4六桂で、手順に迫れます。以下、(1)△8九飛成は▲6九歩。(2)△3六桂も▲1七玉で踏ん張れる形です。佐々木七段は、▲3四歩を放置して△3六桂と打ちました。先手の応手をたずね、それから指し手を決めようとしているのでしょうか。(時刻は20時30分を回った)
両取りを焦らない △5七角や△7九角の両取りが見えた局面でしたが、佐々木七段は△3六歩と打ちました。(1)▲3六同金は△3五歩で拠点を作れます。以下、(A)▲同金は△5七角。(B)▲4六金は△3四金で、▲3五桂が消えるぶん、自玉が安全になります。(2)▲3六同銀は△5七角▲6四飛△4六角成▲6三飛成△3六馬(変化図)で、後手優勢です。(佐々木七段は、形勢をよくできるか)
夕食休憩明け 18時40分の対局再開後も佐々木七段は考え続け、夕食休憩を挟んで56分の長考で△6八銀不成と角を取りました。後手は▲3三桂からの攻めに気をつける必要があり、その順を深く読んでいたのではないか、と推察されます。対して久保九段はすぐに▲6八同飛と応じました。一気に終盤戦に突入する気配が漂っています。 (▲6八同飛を見て、再び考慮に沈む佐々木七段。残り時間が1時間を切った)
夕食休憩 18時、この局面で佐々木七段が26分考えて夕食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲久保3時間23分、△佐々木3時間20分。夕食は久保九段がちゃんぽんセット(みんみん)、佐々木七段がゴーヤチャンプルー(内山田)。対局再開は18時40分です。 (夕食休憩に入っても、佐々木七段はしばらく考えていた)
玉頭戦を視野に 久保九段は玉頭から反発します。△3五同歩なら▲4七桂が予想される一手で、先手は手持ちの桂を生かせそうな形になります。対して佐々木七段は、突き出された歩には触らずに△4五歩▲同金△4四歩(下図)と、金をおびき寄せました。以下、▲3四金には△5六歩▲4三金△同銀と進めれば、次に△3六歩▲同銀△4六金が楽しみになります。どうやらこの3、4筋の争いが形勢の分かれ目といえそうです。 (大阪の空は一日を通して、薄い雲がかかっている)