2010年12月23日 (木)

20101223_34
▲大石四段-△矢内女流四段戦では、矢内女流四段が△6四角(図)と角を据えた。8六歩・4六歩の両取りだ。確実に歩得が見込めるものの、角を手放してしまうデメリットも大きい。矢内女流四段はこの角をうまく使える形にしていく必要がある。
20101223_43
11時40分頃、局面は上図のように進展した。先手と後手の陣形を比べれば、△6四角の影響がよくわかる。先手は角を打ち込まれる心配がなくなったため、気がねなく金銀を玉側に集めることができる。いっぽうの後手は、角打ちのスキを作ってはいけない。金銀を左右に配置してバランスをとっている。
矢内女流四段の狙いは△3五歩~△3六歩。角の利きを生かして飛車を攻める。先手は金銀の物量差を生かして、玉頭を圧倒する展開に持ち込みたい。

(文)

20101223_28
11時30分頃、▲里見女流三冠-△吉田四段戦では、吉田四段が工夫を凝らした駒組みを見せている。早い段階で桂を活用した(▲3六歩~▲3七桂)里見女流三冠に対して、吉田四段は△4四銀~△4二角(図)で8筋からの仕掛けを狙った。この引き角が積極的な構想で、△4四歩~△4三金の展開よりも角が使いやすい。ただ角がラインを変えたことで、先手からの▲6五歩がいつでも切り札になる。現状では△8六歩の攻めが見えているので、里見女流三冠はそれを防がなくてはいけない。3筋の桂頭など、先手陣は弱みが多い形。いったんはしっかりと仕掛けを防ぎ、十分な態勢を整える時間を作りたいところだ。

(文)

▲清水女流六段-△伊藤四段戦……後手石田流対▲6五角急戦
▲里見女流三冠-△吉田四段戦……先手中飛車
▲甲斐女流二冠-△永瀬四段戦……先手石田流対後手左美濃
▲大石四段-△矢内女流四段戦……後手ゴキゲン中飛車対先手丸山ワクチン+佐藤流

006

005

001

(文)

20101223_9
遅れて始まった伊藤真四段-清水女流六段戦は、清水女流六段が先手を得た。初手から▲7六歩△3四歩▲6八玉と、清水女流六段は「中飛車封じ」を発動。対する伊藤真四段は△3五歩から石田流に構えた。数手進み、清水女流六段は角交換から▲6五角(図)と打つ。▲8三角成と▲4三角成の両狙いで、同時には受からない。後手が失敗したようだが、実はこれもひとつの定跡。ここからは△5二玉▲8三角成△3六歩と進み、序盤から激しい展開へと進んでいく。

(文)

9時50分頃、特別対局室に動きがあった。伊藤真四段が対局室に現れたのだ。伊藤真四段は52分の遅刻で、3倍引きで156分=2時間36分が持ち時間から引かれることになる。両者駒を並べ、9時56分に対局が始まった。
対戦成績は2局戦って伊藤の2勝。2007年と今年、王位戦予選で戦っている。清水女流六段の対男性棋士成績は29勝139敗(0.173)。対局数168は女流棋士中トップで群を抜いている。

040

042
【伊藤真吾(いとう・しんご)四段】
1982年1月4日生まれ、東京都八王子市出身、桜井昇八段門下。1993年9月に奨励会へ6級で入会、2007年4月に四段昇段。

047
【清水市代(しみず・いちよ)女流六段】
1969年1月9日生まれ、東京都東村山市出身、(故)高柳敏夫名誉九段門下。1985年4月女流2級、2000年10月、女流棋界で初の女流六段。タイトル獲得は女流名人10期、女流王将9期、女流王位14期、倉敷藤花10期で獲得合計は43期。タイトル戦登場回数は62回。女流名人・女流王将・女流王位・倉敷藤花の4タイトルでクィーン称号を獲得している。棋戦優勝はレディースオープントーナメント7回、鹿島杯女流将棋トーナメント3回で合計10回。1996年7月文部大臣表彰、1997年2月都民文化栄誉章、2000年11月東村山市民栄誉賞、2008年8月倉敷市将棋文化栄誉章を受賞している。

(文)