2010年12月23日 (木)

両取りの角

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▲大石四段-△矢内女流四段戦では、矢内女流四段が△6四角(図)と角を据えた。8六歩・4六歩の両取りだ。確実に歩得が見込めるものの、角を手放してしまうデメリットも大きい。矢内女流四段はこの角をうまく使える形にしていく必要がある。
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11時40分頃、局面は上図のように進展した。先手と後手の陣形を比べれば、△6四角の影響がよくわかる。先手は角を打ち込まれる心配がなくなったため、気がねなく金銀を玉側に集めることができる。いっぽうの後手は、角打ちのスキを作ってはいけない。金銀を左右に配置してバランスをとっている。
矢内女流四段の狙いは△3五歩~△3六歩。角の利きを生かして飛車を攻める。先手は金銀の物量差を生かして、玉頭を圧倒する展開に持ち込みたい。

(文)