2021年7月10日 (土)

Fujii07 (勝った藤井聡太王位・棋聖は初のベスト4入りを決めた)

Yamasaki07(敗れた山崎隆之八段)

Ue19(終局直後)

終局直後にインタビューが行われました。

Fujii09 (インタビューに答える藤井聡王位・棋聖)

――本局、終盤まで難しい競り合いが続いたと思うんですけど、一局を振り返っていただいていかがですか

藤井 こちらが△4一玉(48手目)から瞬間の堅さを生かして攻めていければと思ったんですけど、ただ、そのあと先手玉の広さを生かされる展開になってしまって、中盤は自信のない展開が長く続いたように思います。

――どのあたりから形勢が自分の側にきたと感じられましたか

藤井 ちょっと分からなかったですけど、△5二歩(70手目)と受けた局面でそれ以上攻めがなければ、難しいのかなと思いました。

――この勝利でベスト4に勝ち進みました。この後の抱負をお願いします。

藤井 竜王戦でベスト4に進んだのは初めてで、次は非常に大きな一局になりますけれども、いい状態で臨めるようにしたいと思います。

Yamasaki09 (山崎八段は無念の表情)

――中盤のあたり、形勢はどう見られていましたか

山崎 難しいけどちょっと苦しいように思っていて、どこで勝負を懸けようか、非常に難しいなと思っていました。

――67手目の▲5三歩成のあたりはいかがですか

山崎 終盤はちゃんとやれば勝ちがあるかなと思ったんですけど、私の力では分からなかったですね。時間も切迫していましたので。

――全体の流れとしてはどこで悪くしたと思われましたか

山崎 ▲2六角(65手目)が利くかどうかで時間を使いすぎてしまって、次の△7二金を軽視していて、それなら▲2六角は早く打っておくべきだったなと。そのあと間違えて逆転になったと思います。少し苦しいと思えば精神的に開き直れ、少し盛り返してチャンスはきたように思うんですけど、▲5三同角成(79手目)あたりがよくなかったのかもしれないです。あそこはもう負けなのかもしれないですけど、その前にもうちょっとよくなる順があったかと。▲5四歩(73手目)から▲5三歩成が思ったより厳しくなく、▲2二歩(77手目)をもっと早めに打っておくべきだったかもしれず、チャンスを生かしきれなかったですね。

(書き起こし:潤記者)

Ryuou20210710010194

▲山崎ー△藤井聡戦は22時20分、94手で藤井聡王位・棋聖の勝ちとなりました。消費時間は▲山崎4時間59分、△藤井4時間57分。勝った藤井聡王位・棋聖は決勝トーナメント準決勝に進出。次戦で久保利明九段(1組2位)-八代弥七段(2組2位)戦の勝者と対戦します。

Ryuou202107100101_80図は馬取りに歩を打って受けたところ。2枚の金がよく利いており、後手玉に迫る手が見当たりません。この局面で山崎八段は一分将棋に入り、▲4二銀と打ち込んで突撃していきました。

Ue18 (朝、対局開始を待つ両者)

Ryuou202107100101_67局面は終盤の寄せ合いに入りつつあります。藤井聡王位・棋聖は△5三同銀直と応じました。後手は手番が回れば△7七歩成が楽しみです。

Fujii06 (藤井聡王位・棋聖は△7七歩成~△7八とを間に合わせたい)

Ryuou202107100101_53午後に入ってからは常に山崎八段のほうが持ち時間を多く消費していましたが、上図の局面から藤井聡王位・棋聖は34分の考慮で△5五歩と打ちました。下図、▲5五同角の局面はともにちょうど4時間14分を消費し、そこでさらに藤井聡王位・棋聖は考えています。

Ryuou202107100101_55

Yamasaki06 (山崎八段は悩ましい局面を突きつけたか)