カテゴリ「第34期竜王戦決勝トーナメント」の記事 Feed

2021年7月28日 (水)

20210728p時刻は20時30分を回りました。両者の残り時間は1時間を切っています。先手の永瀬王座は▲7七歩(図)と合わせて受けに回り、後手の攻めを余しにいく方針のようです。△6五歩には▲7六金と歩を払うことができます。先手玉の嫌みである2枚の歩を巡る攻防になっています。

20210728n現在、時刻は20時を回ったところです。1図から△7六桂▲同銀△5七銀不成▲同金△7六歩▲6六金に△8六歩(2図)まで進んでいます。

20210728o梶浦七段は△5七銀不成と銀を捨てて先手玉を薄くし、▲6六金に△8六歩(2図)と垂れ歩で先手玉に嫌みをつけました。後手は△8四飛と走るタイミングを見計らって攻めをつなげたいところです。

先手は受けによく利いている下段の竜が大きな存在です。玉頭のキズをうまくケアしながら反撃に転じたいところでしょう。形勢は難しく、見応えのある激戦が展開されています。

20210728l△4一角以下、実戦は▲2九竜△7六歩▲同銀△1三桂▲2一歩成△2五歩(図)と進んでいます。

先手は竜を自陣に引き揚げ、長期戦の様相に。先手はどこかで▲4六銀と銀を活用する手、後手はいいタイミングで△2三角と活用する順を見ているかもしれません。

20210728k▲2二歩に対して梶浦七段は△4一角と自陣角を打ちました。竜取りと同時に▲3二竜の侵入を防いでいます。角を手放しても竜を追い払えば後手玉の危険度が緩和されて、反撃に専念できるといった判断かもしれません。手に汗握る攻防戦が展開されています。

20210728j18時40分、対局が再開しました。永瀬王座はすぐに▲2二歩と桂取りに打ちました。先手は現在、▲金△角桂の駒損ですが、桂を取れば駒損を少し回復することができます。桂を手持ちにすることで7五の歩がいなくなったときに▲7五桂と打つことを視野に入れているのかもしれません。

20210728i18時、この局面で永瀬王座が24分使って夕食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲永瀬3時間22分、△梶浦3時間21分。夕食の注文は永瀬王座が鳩やぐらの肉豆腐(キムチ・きのこ)弁当、納豆オムレツ(キムチ)。梶浦七段がLe Carreのビーフストロガノフ、半熟卵です。対局は18時40分に再開します。

20210728g_2永瀬王座は前述した▲3三桂成の強襲に出ました。以下△3三同金▲2三角成△同金▲同飛成(2図)と進んでいます。

20210728h永瀬王座は勝負どころと判断したのでしょう。決断の踏み込みに出ました。

2図から梶浦七段が△7五歩と反撃に転じて、局面が激しくなっています。

Dsc_7601(永瀬王座の強襲に対して反撃に出た梶浦七段)

20210728e1図は後手が△3六歩と突いた局面です。実戦は以下、▲8四歩△3七歩成▲同銀△5五銀(2図)と進みました。

20210728f
▲8四歩は△8五桂を緩和した受けの手筋で、△8四同飛には▲8七歩と打つ狙いのようです。うわずっている8五の歩が8七にいれば先手玉は安定します。
対して後手は△3七歩成▲同銀と先手の銀を下げてから△5五銀(2図)と角を攻めました。先手の主軸を攻める構想で△3六歩からの継続手ですが、危険な意味もあるかもしれません。▲3三桂成と成り捨てて▲2三角成の強襲が見えるからです。とはいえ、先手は5三の地点を押さえている桂を捨てにくい意味があり、今後の方針を定めるために長考するかもしれません。本局の勝負どころを迎えているといえるでしょう。

Dsc_7589(先手の角を攻めた梶浦七段。勝負どころの局面を迎えている)

20210728d

14時過ぎ、局面は図を迎えました。▲2八飛に対して梶浦七段が△8六歩▲同歩△8五歩と継ぎ歩攻めに出ました。先手玉が8八にいるため、迫力満点です。以下、実戦は▲8五同歩に△3六歩と進んでいます。

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