カテゴリ「第34期竜王戦七番勝負第2局」の記事 Feed

2021年10月22日 (金)

▲9五歩

休憩明け以降もずっと考え続けていた豊島竜王でしたが、14時25分に▲9五歩と端から動きました。控室は、淡路九段と小林裕七段が継ぎ盤で△9五同歩に▲8六飛と回る変化を検討しています。以下△7五歩▲9五香△同香▲8三飛成が一例で、先手は、端の香を捨てることで▲9二竜の王手が狙いにしています。

検討

仁和寺

第2局の対局場「総本山仁和寺」は888年、宇多天皇によって建てられた門跡寺院。名前は建立時の年号・仁和(にんな)が由来になっており、平安時代から明治維新まで、皇族が住職を務めていたため「御室御所」とも呼ばれています。1994年には「古都京都の文化財」としてユネスコの世界遺産に登録されました。竜王戦の開催は3期連続3回目になります。

仁和寺

仁和寺

対局室は、御殿にある登録有形文化財・宸殿(しんでん)。儀式や式典に使用される施設で、「宸」の字は天皇を示しています。庭園は白砂が一面に広がる南庭と、池の先に五重塔が望める北庭があり、今年「仁和寺御所庭園」が国の名勝に指定されました。

北庭
(北庭)

南庭
(南庭)


【総本山仁和寺 宿坊 御室会館】
〒616-8092京都府京都市右京区御室大内33(仁和寺内)
電話075-464-3664
https://ninnaji.jp/syukubou/

対局室
(昼食休憩時の対局室)

盤面
(32手目△7四歩の局面)

静山作
(豊島竜王の王将。「静山作」という駒師の名が入っている)

源兵衛清安
(藤井三冠の玉将。書体を示す「源兵衛清安」の文字が入っている)

棋譜
(1日目昼食休憩までの棋譜)

△7四歩

12時30分、32手目△7四歩の局面で豊島竜王の考慮が56分を記録し、昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲豊島竜王1時間33分、△藤井三冠1時間36分。対局は13時30分に再開します。

読売新聞

第2局の観戦記は池田将之さんの執筆で、11月上旬から読売新聞紙上で掲載されます。本日の朝刊には挑戦者決定戦三番勝負第2局▲藤井聡王位・棋聖(当時)-△永瀬拓矢王座戦の第4譜(高野秀行六段執筆)が掲載されています。


読売新聞では、オンラインサイトやTwitterなどで竜王戦の情報をリアルタイムで発信しています。昨日、そして本日の模様も更新されておりますので、各リンク先からお楽しみください。

【竜王戦特設ページ - 読売新聞オンライン】
https://www.yomiuri.co.jp/igoshougi/ryuoh/

【豊島竜王が追い付くか、藤井三冠がリード広げるか…竜王戦七番勝負第2局詳報】
https://www.yomiuri.co.jp/igoshougi/ryuoh/20211020-OYT8T50048/
※スライドショー、タイムラインあり。

【読売竜王戦 - Twitter】
https://twitter.com/yomiuri_ryuo

【読売新聞写真部 - Twitter】
https://twitter.com/tshashin

両者の対戦成績は9勝9敗。豊島竜王が初手合いから6連勝でリードしていましたが、2021年は藤井三冠が巻き返し、前局の竜王戦第1局で五分の星に戻っています。果たして先に10勝目を挙げるのはどちらでしょうか。

対局日 棋戦 豊島 藤井
2017年8月24日 第43期棋王戦挑戦者決定トーナメント 先千
2017年8月24日 第43期棋王戦挑戦者決定トーナメント 先○
2019年5月23日 第27回銀河戦本戦Eブロック 先○
2019年7月23日 第32期竜王戦決勝トーナメント 先●
2019年10月7日 第69期大阪王将杯王将戦挑戦者決定リーグ戦 先○
2020年9月12日 第41回将棋日本シリーズ2回戦 先●
2020年10月5日 第70期王将戦挑戦者決定リーグ戦 先○
2021年1月17日 第14回朝日杯将棋オープン戦本戦 先●
2021年6月29、30日 お~いお茶杯第62期王位戦七番勝負第1局 先●
2021年7月13、14日 お~いお茶杯第62期王位戦七番勝負第2局 先●
2021年7月21、22日 お~いお茶杯第62期王位戦七番勝負第3局 先○
2021年7月25日 第6期叡王戦五番勝負第1局 先○
2021年8月3日 第6期叡王戦五番勝負第2局 先○
2021年8月9日 第6期叡王戦五番勝負第3局 先○
2021年8月18、19日 お~いお茶杯第62期王位戦七番勝負第4局 先●
2021年8月22日 第6期叡王戦五番勝負第4局 先○
2021年8月24、25日 お~いお茶杯第62期王位戦七番勝負第5局 先○
2021年9月13日 第6期叡王戦五番勝負第5局 先○
2021年10月8、9日 第34期竜王戦七番勝負第1局 先○
    9勝 9勝

藤井三冠
(前局の勝利で対戦成績を五分に戻した藤井三冠)

▲2六飛

10時50分、局面は29手目▲2六飛まで進みました。藤井三冠は飛車を5筋に転回し、右銀を使って速攻に出ています。図の▲2六飛は7六の地点、いわゆる角頭を守った受けで、控室の小林裕七段は以下△7四飛▲7五歩△同飛▲2四歩△同歩▲同飛△3四歩という進行例を挙げています。1日目の午前中から早くも考えどころの局面を迎えているようです。

小林裕七段
(第2局の新聞解説を務めている小林裕七段)

時刻は10時を回り、それぞれの控室に午前のおやつが用意されました。1日目午前のおやつは、豊島竜王がフルーツ盛り合わせ、ホットティー。藤井三冠がくま最中、あんと塩きなこ、アイスコーヒーです。

フルーツ盛り合わせ
(豊島竜王のおやつ)

おやつ
(藤井三冠のおやつ)

くま最中
(くま最中。しゅまり豆のこし餡に黒糖と一休豆を忍ばせた最中)