カテゴリ「第33期竜王戦決勝トーナメント」の記事 
感想戦
(勝った丸山忠久九段は自身、6度目の挑戦者決定三番勝負進出)
本局の棋譜中継には後ほど佐々木慎七段による解説が追記されます。そちらもあわせてご覧ください。
(佐々木慎七段)
本日の中継は以上で終了いたします。勝った丸山九段は挑戦者決定三番勝負進出を決めました。その相手は明日、東京・将棋会館で行われる準決勝、羽生善治九段(1組優勝)-梶浦宏孝六段(5組優勝)戦の勝者となります。ご観戦いただき、まことにありがとうございました。
丸山九段が決勝三番勝負進出を決める
▲久保-△丸山戦は138手で丸山九段の勝ちとなりました。終局時刻は22時28分。消費時間は▲久保4時間54分、△丸山4時間58分。
丸山九段が抜け出したか
ヨリが戻った?
頑強な受け
一気に攻めきるか
桂を使った攻め
夕食休憩前、久保九段は上図のとおり、▲2五桂と跳ね出しました。△2五同桂なら▲1一角成と、香を取り返しながら相手玉の近くに馬を作って先手は申し分ありません。丸山九段は△2四銀と立ち、夕食休憩以後、▲3三桂成△同銀▲6三歩成△同金▲8四桂(下図)と進みました。手順中の▲6三歩成は角筋を通しながら後手陣を乱し、△6三同竜であれば先手玉への攻め味が乏しくなってしまいます。
本譜▲8四桂はソッポに駒を投資していますが、金が6三に上ずったところで飛車を手にすれば一段目に下ろす手が厳しく、例えば(1)△6二飛と飛車を逃げれば▲9一角成で香を取れます。▲6九香の狙いも生じ、以下は△9八竜▲8一馬の進行が無難でしょう。しかし、そこで後手の指す手が難しそうです。(2)△5二飛として、同様に▲9一角成△9八竜▲8一馬にもう1手使って金取りを受けるほうが手堅いかもしれません。
夕食休憩中の対局室
夕食休憩
18時、夕食休憩に入りました。この局面で久保九段が使った時間は6分。ここまでの消費時間は▲久保3時間18分、△丸山3時間29分。冷たいそばの親子丼セット(やまがそば)、丸山九段がエビマヨネーズ、とりの唐揚げ、カレー焼き飯(いずれもみんみん)でした。対局は18時40分から再開されます。






後手の攻め駒は先手玉に食いつく形ができており、先手に手段が求められる局面になりました。何かいい手がないと丸山九段が押し切りそうです。

上図は成香取りに△2四角と打った局面で、次は△5七角成に▲同銀なら△2九金以下の詰み。絶妙手かに見えましたが、そこで▲6七金と竜に当て返す手がありました。以下、下図まで進んでいます。後手の大駒4枚のうち2枚が先手に渡り、ヨリが戻ったかもしれません。残り時間は▲久保32分、△丸山4分です。

上図の△5四銀が強靭な受け。以下、▲3三成香△5五銀▲4三角成△同金▲同成香と久保九段は猛攻しましたが、△5一桂▲3三成香△6四角まで進むと先手の攻めもだいぶ細くなってきた印象です。先手は放置して△4四銀の王手成香取りを喫するわけにはいきません。

図は香に当てる△1三桂に▲5五馬と引いたところ。△7九竜などと逃げると▲2一角△3一玉▲2三香成(変化図)の順がうるさいようです。
対して(1)△2一玉と角を取るのは▲3三成香が▲2二成香までの詰めろで、△3一玉に▲5一銀の狙いができます。(2)△4一桂には▲1二成香と食いつけば振りほどけません。(3)△4四歩も▲6五角成と角に逃げられてしまいます。






