カテゴリ「第33期竜王戦決勝トーナメント」の記事 Feed

2020年8月12日 (水)

20200812_4016時30分過ぎ、図の△6四歩に対し、久保九段が▲6五歩と突き出して戦いが始まりました。△7七角成▲同桂に△2二角と、習いある桂取りの自陣角で丸山九段は対抗しています。

20200812_44以下、▲5五歩△同角▲同飛△同歩▲4六角と進みました。△6八飛を防ぎながら▲5五角を見せています。

20200812_49Kubo07(久保九段は飛車角交換をして局面を動かしていく)

第24期挑戦者決定三番勝負第2局は丸山九段が快勝し、第3局は改めて振り駒が行われた結果、久保二冠(当時)の先手となりました。

Ryuou20110912_307七角型の先手石田流(1図)から▲4五銀△2三銀▲6五歩と仕掛けます。対して△6五同歩が当時、初めて指された手。その後、飛車角交換になって戦いに入っていきました。

Ryuou20110912_692図は端に香を重ねたところ。▲1三銀の筋を見せ、△2七飛成の強襲を牽制しています。本譜は△9九飛成でしたが、対して▲1三銀があったようです。△2一玉には▲5二馬(変化図)が▲4三馬(△同金は▲2二金までの詰み)を見せて厳しく、△3一玉も▲6四馬△4二銀▲5二馬で先手が指せていました。

Ryuou20110912_73Ryuou20110912_1023図の△1三歩が決め手。△1五金▲同玉△1四歩▲1六玉△1五歩までの詰めろで、自玉を広げています。

Ryuou20110912_134

Dsc_0202 (第2局終局時の写真を当時のブログより。吟記者撮影)


開始日時:2011/09/12 10:00
終了日時:2011/09/12 23:09
表題:竜王戦
棋戦:第24期竜王戦挑戦者決定三番勝負第3局
持ち時間:各5時間
消費時間:134▲299△299
場所:東京・将棋会館
先手:久保利明
後手:丸山忠久

▲7六歩 △3四歩 ▲7五歩 △4二玉 ▲6六歩 △6二銀
▲7八飛 △6四歩 ▲4八玉 △6三銀 ▲3八銀 △3二銀
▲3九玉 △5二金右 ▲6八銀 △3一玉 ▲6七銀 △8四歩
▲2八玉 △3三角 ▲1六歩 △1四歩 ▲5六銀 △8五歩
▲7六飛 △2四歩 ▲7七角 △2二玉 ▲5八金左 △5四歩
▲4五銀 △2三銀 ▲6五歩 △同 歩 ▲7四歩 △同 歩
▲5六飛 △6六歩 ▲同 飛 △同 角 ▲同 角 △3三桂
▲1五歩 △3二金 ▲1四歩 △1二歩 ▲4六角 △6四歩
▲6五歩 △5三金 ▲5六銀 △4四歩 ▲7七桂 △6二飛
▲8四角 △6一飛 ▲6四歩 △同 銀 ▲6五桂 △同 銀
▲同 銀 △同 飛 ▲6六歩 △2五飛 ▲9一角成 △4三金寄
▲5一角成 △6九飛 ▲1八香打 △9九飛成 ▲3六歩 △2一桂
▲5二銀 △4二銀 ▲6一馬 △3五歩 ▲4三銀不成△同 金
▲4八金寄 △3六歩 ▲3七歩 △同歩成 ▲同 銀 △3六歩
▲同 銀 △3四香 ▲6四馬 △3六香 ▲3七歩 △同香成
▲同 桂 △3六歩 ▲2五桂 △3七銀 ▲同 金 △同歩成
▲同 玉 △2五桂 ▲2六玉 △3七銀 ▲1六玉 △1三歩
▲3一銀 △同 玉 ▲3六香 △3二歩 ▲4一飛 △2二玉
▲3七馬 △同桂成 ▲4三馬 △1五銀 ▲同 玉 △1四歩
▲2六玉 △3六成桂 ▲同 玉 △4五金 ▲2六玉 △3五角
▲3七玉 △3六香 ▲2八玉 △4三銀 ▲3一銀 △3三玉
▲3四歩 △同 玉 ▲2六桂 △同 角 ▲同 歩 △3九角
▲2九玉 △3七桂
まで134手で後手の勝ち

第24期挑戦者決定三番勝負第1局は振り駒の結果、当時、棋王・王将の二冠を保持していた久保九段の先手になりました。当時の棋譜中継をもとに振り返ります。

Ryuou20110816_71図は7手目にして早くもほかに例のない局面。△7四同歩なら▲5三角から馬を作る狙いがあります。本譜は△6二銀でした。序盤は角の交換や取り合いで3回も互いに駒台にのり、結局はいずれも筋違い角を放ちます。

Ryuou20110816_80進んで80手目の局面(2図)。後手は△1五歩~△1六歩で駒を取る順に進めれば押し切れそうでした。本譜は85手目▲2三歩成から桂がさばけ(3図)、先手は玉の近くで戦いに持ち込みました。

Ryuou20110816_87Ryuou20110816_125ハイライトは4図。△3七歩成▲同金△2八銀不成▲4三角成△3四歩は後手勝ち筋でしたが、4図から指した△6一角が敗着になったようです。

Ryuou20110816_14741__2 (当時のブログより。若葉記者撮影)


開始日時:2011/08/16 10:00
終了日時:2011/08/16 23:06
表題:竜王戦
棋戦:第24期竜王戦挑戦者決定三番勝負第1局
持ち時間:各5時間
消費時間:147▲299△297
場所:関西将棋会館
先手:久保利明
後手:丸山忠久

▲7六歩 △3四歩 ▲7五歩 △8八角成 ▲同 銀 △5四歩
▲7四歩 △6二銀 ▲7三歩成 △同 銀 ▲5三角 △6四銀
▲2六角成 △3五角 ▲1五馬 △2四角 ▲同 馬 △同 歩
▲2三角 △4五角 ▲5八金右 △4二金 ▲4六歩 △3三金
▲4五歩 △2三金 ▲2六歩 △3三桂 ▲4八銀 △7二飛
▲6八金上 △4二玉 ▲6九玉 △3二玉 ▲4七銀 △4二銀
▲6六歩 △7五銀 ▲4四歩 △6二金 ▲2五歩 △同 歩
▲2四歩 △2二金 ▲5六銀 △4四歩 ▲6五角 △9四角
▲9六歩 △6四銀 ▲5四角 △4三銀 ▲3六角 △8四歩
▲4七角 △4五歩 ▲6七銀 △8二飛 ▲1六歩 △4六歩
▲3八角 △3五歩 ▲7八玉 △5三金 ▲7七銀 △1四歩
▲1七桂 △3四銀 ▲5六角 △4四金 ▲4八飛 △4五銀
▲7四角 △5四銀 ▲4六飛 △4五歩 ▲4九飛 △4三玉
▲2九飛 △3四玉 ▲4八金 △1三金 ▲9五歩 △6一角
▲2三歩成 △同 金 ▲2五桂 △同 桂 ▲2六歩 △7三桂
▲7二歩 △同 角 ▲2五歩 △8五桂 ▲5六桂 △7七桂成
▲同 桂 △7六歩 ▲同 銀 △7三銀 ▲2四歩 △同 金
▲4四桂 △7四銀 ▲3二桂成 △2八歩 ▲同 飛 △2六歩
▲7三金 △9二飛 ▲7二金 △4三銀 ▲4二成桂 △6四桂
▲4三成桂 △7二飛 ▲4四銀 △7六桂 ▲3三銀成 △2五玉
▲5八角 △3六歩 ▲7六角 △2七銀 ▲4四成桂 △6一角
▲2九飛 △2八銀打 ▲3六歩 △3七歩 ▲4九桂 △4六金
▲3四成銀 △同 金 ▲同成桂 △同 玉 ▲2八飛 △3六金
▲3七金 △同 金 ▲同 桂 △3五玉 ▲4七桂 △3六玉
▲3五金 △3七玉 ▲3九銀
まで147手で先手の勝ち

20200812_27_2上図、昼食休憩の局面から△2二銀▲4七金△2四歩▲5六歩△2三銀と進みました。下図の△2三銀が41分、直前の▲5六歩が43分と長考の応酬で、ゆったりした序盤戦になっています。

20200812_32

Maruyama06(丸山九段は銀冠の構えを作った)

Ue07 (久保九段が先に戻っていた)

Ue08 (定刻になったところ。丸山九段は戻ってきていない)

Kubo06 (着手を待つ側だが、久保九段は早くに戻っていた)

Maruyama05 (丸山九段が戻って着座。定刻を過ぎた分は自身の持ち時間から差し引かれる)

Ue09 (午後は難しい戦いになるか)

Hiru1 (昼食休憩時の盤面)

Ue05 (昼食休憩時の御上段の間)

Hiru3 (丸山九段のお盆には存在感の大きな水のボトルが)

Hiru4 (久保九段のお盆。シンプルにコーヒーとお茶)

Hiru5 (丸山九段の座布団の脇には大きな扇子が置いてあった)

20200812_2712時、昼食休憩に入りました。この局面で丸山九段が使った時間は28分。ここまでの消費時間は▲久保39分、△丸山1時間5分。昼食の注文は久保九段がサービスランチの豚ロース肉しょうが焼き(イレブン)、丸山九段がカレー焼き飯、ニラレバ(いずれもみんみん)でした。対局は12時40分から再開されます。

・今期ランキング戦は2組2位。1組在籍は第12期から前期までの連続21期。来期は1組復帰以上が確定
・ランキング戦優勝は6組(第4期)、3組(第9期)、2組(第11期)、1組5回(第19、21、23、24、29期)の計8回
・決勝トーナメントを戦うのは3期ぶり12期目(第4、9、11、12、19、21、23~25、29、30、33期)。七番勝負登場は第24、25、29期の3回

Maruyama03

今期の決勝トーナメントでは、3組優勝の藤井聡太棋聖を千日手指し直しの末に破り、さらに1組2位の佐藤和俊七段戦を制して本局に臨みます。

・今期ランキング戦は1組3位。1組在籍は6期連続11期目。1組から1度だけ2組に降級した際は1期で1組復帰
・ランキング戦優勝は4組(第12期)、3組(第20期)の2回
・決勝トーナメントを戦うのは5期連続12期目(第12、16、20~24、29~33期)、決勝三番勝負進出は第23期と24期の2回

Kubo5

今期の決勝トーナメントでは、2組優勝の佐々木勇気七段戦で逆転勝ちを収め、準決勝に駒を進めました。