カテゴリ「第33期竜王戦決勝トーナメント」の記事
3度目の△5七歩
前記事の図から、梶浦六段は▲6七金寄と形を整えました。次の▲5五歩△同銀▲同銀△同金▲2四歩を狙ったのでしょう。ここでも梶浦六段は着実です。これをまともに食らっては持たないと、後手の高野五段は△5七歩。これまでも2度出てきた歩の垂らしです。これまでは▲5七同飛、▲5七同金と取らせて、どちらも相手の攻めを遅らせることに成功しました。二度あることは三度あるでしょうか。
先手としては三度目の正直と、▲5七同角として、角の利きを通したまま戦いたいでしょう。20時44分頃、梶浦六段は▲5七同角とすると、コップの水をあおり、飲み干しました。
(高野五段は3度目の△5七歩)
(20時40分頃、中継室の窓から撮影。すっかり暗くなっている)
残り1時間
棋風通り
夕食休憩中の対局室
夕食休憩
18時、この局面で高野五段が26分使って夕食休憩に入りました。消費時間は、▲梶浦3時間27分、△高野3時間22分。夕食注文は梶浦六段が「ビーフストロガノフ」(Le Carre)、高野五段が「うな重セット・肝吸」(ふじもと)。対局は18時40分から再開されます。
先手が攻め、後手が受ける
17時30分過ぎの着手。やはり先手が攻める展開になっています。反対に、後手は受けに回る展開。手番が回れば、△4八歩成や△4五銀など楽しみも十分です。攻守のコントラストがくっきり浮かび上がっています。
戦い始まる
本日の鳩森神社
こう着状態
△8三飛は15時直前の着手。1時間27分の長考でした。
局面はこう着状態。どちらも仕掛けに向かうよりも、手待ちに近い手を指しています。序盤からこってりしすぎて、中盤に入らない懸念も出てきました。先手が千日手でいいと判断すれば、▲2七飛と戻って、以下、△8一飛▲2九飛△8三飛……となれば千日手です。
まずは先手が仕掛けを狙うかどうかでしょう。一般的には先手が主導権を握りやすいため、先後入れ替えての指し直しは先手が避けたいとされています。6四角を追うか3七桂にヒモをつければ、前述の▲4五歩ができるほか、▲1八香~▲1九飛の雀刺しも有力そうです。