カテゴリ「第33期竜王戦決勝トーナメント」の記事 Feed

2020年7月23日 (木)

202007234815時30分頃の局面です。佐々木七段は△4五歩と突き出しました。▲同歩は△同桂が玉のコビンを攻めつつ△5七桂右(左)成を狙って厳しいです。久保九段は上図から▲6六銀△4六歩▲4八金引と進めました。そこで、佐々木七段は△5七桂成と取られそうな桂を成り込みます。2020072352ここから(1)▲5七同金△4五桂▲同桂△4七歩成が狙いで、以下、▲5五歩△5七と▲同銀に△5五角(変化図)が王手飛車取りとなり、後手優勢になります。60よって、(2)▲5七同銀△4五桂▲2九玉△3七桂成▲同金左△4五桂▲4六銀△3七桂成▲同銀(変化A図)と進めてどうか。61佐々木七段が久保九段の仕掛けをうまく逆用する展開となるのでしょうか。
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Img_4703(久保九段は慎重な対応が求められそうだ)

関西将棋会館2階には、一般のお客様が将棋を楽しめる道場があります。現在はコロナウイルス感染症の影響で普段の道場とは違い、席数を減らすなどの防止策を施しての運営を続けています。

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Img_4711(今日の指導対局は山本真也六段)

Img_4707(運営カレンダー。奨励会の影響もあり、日曜日が定休日となっている)
Img_4708(各テーブルに備えつけの消毒用アルコール)

2020072340対局再開から3手しか進んでいません。佐々木七段は34分の長考でひとつ角を引きました。この手に対して先手が8筋を受けず▲5六歩と突くと、△8六歩▲同歩△同角▲8八飛△7七角成▲8二飛成△6七馬▲8一竜△4九銀(変化図)が一例です。後手のほうが早く先手の囲いに手をつけられるので、後手が指しやすくなりそうです。△6四角は、先手に▲8八飛を強要する意味があるといえます。

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Img_4680(朝の佐々木七段)

Img_4715(昼食休憩時▲3八金までの局面)
Img_4721(換気のため、窓は明けてある)
Img_4724_2(久保九段注文のプレミアム和牛ハンバーグ)
Img_4727(佐々木七段注文のゴーヤチャンプルー。どちらも内山田のメニュー)

202007233712時、この局面で佐々木七段が2分考えて昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲久保1時間6分、△佐々木34分。昼食は両者内山田からの注文で、久保九段がプレミアム和牛ハンバーグ、佐々木七段がゴーヤチャンプルー。対局再開は12時40分です。

両者は過去に2度の対戦があり、久保九段の2勝です。直近では第30期竜王戦決勝トーナメントで対戦しています(以下、肩書は当時のもの)。
2017071644上図は、久保王将が△2八歩と垂らしたところです。先手の攻めを「やってこい」と呼び込む強気な姿勢を見せます。そこから佐々木六段も攻め立て、一進一退の攻防が続きました。指し手が進んで、下図。2017071675この角打ちを、佐々木六段は「致命的な悪手だった」と振り返っています。この角を打ったばかりに、局面が忙しくなってしまったようです。それでも難しい局面が続きましたが、リードを保った久保王将が押しきりました。

【第30期竜王戦決勝トーナメント ▲佐々木勇-△久保戦】
http://live.shogi.or.jp/ryuou/kifu/30/ryuou201707160101.html
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2020072324戦型は久保九段の四間飛車、佐々木七段の居飛車の対抗形に進みました。
11時頃、佐々木七段が△9四歩と突いた局面です。前手▲3九玉の局面の戦績は▲14勝、△17勝でしたが、この△9四歩で前例が激変しました。2局に絞られ、▲1勝、△1勝となっています。

佐々木勇気(ささき ゆうき)七段は、第30期以来の決勝トーナメント進出で、最高成績は3回戦進出です。第30期の決勝トーナメントでは、当時公式戦29連勝という新記録を打ち立てた藤井聡太四段(肩書は当時)を倒し、公式戦初黒星をつけたことで話題となりました。
居飛車党の本格派で、横歩取りの作戦である「勇気流」を考案しており、序盤の研究家としても知られています。

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久保利明(くぼ としあき)九段は、今期が12回目の決勝トーナメント進出です。第23期、第24期で挑戦者決定三番勝負まで進んだのが、最高成績です。
軽いさばきを身上とする振り飛車党で、三間飛車や中飛車を多く採用します。終盤力を武器とした踏み込みと、容易に崩れない粘り強さが持ち味の棋風です。

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