カテゴリ「第33期竜王戦決勝トーナメント」の記事 Feed

2020年7月23日 (木)

Img_4819(久保利明九段が最終盤で逆転に成功)

Img_4821(佐々木勇気七段はどこかで誤算があったか)

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以上で、本局の中継を終了します。
次戦は、明日7月24日(金・祝)に、丸山忠久九段(2組2位)と藤井聡太棋聖(3組優勝)の一戦をお送りいたします。本日はご観戦ありがとうございました。

20200723101_2久保九段がやや劣勢ながらも差をつけさせない指し回しで、最終盤で逆転に成功したようです。
上図は先手玉が詰みません。一例は△3六金▲5八玉△3四金▲2四桂△同歩▲2三銀(変化図)で、後手玉は受けが難しいです。107_2Img_4675(腰を落としてじっくり時間を使い、11分の考慮で▲4七玉と引いた)

2020072383_2久保九段は△8九飛成を防がず、▲3四歩と攻め合いを目指しました。△同銀は▲同金△同金▲4六桂で、手順に迫れます。以下、(1)△8九飛成は▲6九歩。(2)△3六桂も▲1七玉で踏ん張れる形です。
佐々木七段は、▲3四歩を放置して△3六桂と打ちました。先手の応手をたずね、それから指し手を決めようとしているのでしょうか。
Img_4817(時刻は20時30分を回った)

2020072374△5七角や△7九角の両取りが見えた局面でしたが、佐々木七段は△3六歩と打ちました。(1)▲3六同金は△3五歩で拠点を作れます。以下、(A)▲同金は△5七角。(B)▲4六金は△3四金で、▲3五桂が消えるぶん、自玉が安全になります。(2)▲3六同銀は△5七角▲6四飛△4六角成▲6三飛成△3六馬(変化図)で、後手優勢です。
80Img_4750(佐々木七段は、形勢をよくできるか)

202007237318時40分の対局再開後も佐々木七段は考え続け、夕食休憩を挟んで56分の長考で△6八銀不成と角を取りました。後手は▲3三桂からの攻めに気をつける必要があり、その順を深く読んでいたのではないか、と推察されます。
対して久保九段はすぐに▲6八同飛と応じました。一気に終盤戦に突入する気配が漂っています。
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Img_4759(▲6八同飛を見て、再び考慮に沈む佐々木七段。残り時間が1時間を切った)

202007237118時、この局面で佐々木七段が26分考えて夕食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲久保3時間23分、△佐々木3時間20分。夕食は久保九段がちゃんぽんセット(みんみん)、佐々木七段がゴーヤチャンプルー(内山田)。対局再開は18時40分です。

Img_4815(夕食休憩に入っても、佐々木七段はしばらく考えていた)

2020072363久保九段は玉頭から反発します。△3五同歩なら▲4七桂が予想される一手で、先手は手持ちの桂を生かせそうな形になります。
対して佐々木七段は、突き出された歩には触らずに△4五歩▲同金△4四歩(下図)と、金をおびき寄せました。2020072366以下、▲3四金には△5六歩▲4三金△同銀と進めれば、次に△3六歩▲同銀△4六金が楽しみになります。
どうやらこの3、4筋の争いが形勢の分かれ目といえそうです。

Img_4792(大阪の空は一日を通して、薄い雲がかかっている)

1階、販売課には両対局者にちなんだ商品が販売されています。
Img_4791(入り口入ってすぐ右手に位置する)

Img_4782(久保九段の扇子)
Img_4787(勇気流を詳細に解説した著書)

Img_4808(関西では本日から発売となったAbemaトーナメントTシャツ)

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