カテゴリ「第32期竜王戦決勝トーナメント」の記事 Feed

2019年7月24日 (水)

次回の対局中継は8月2日(金)に渡辺明三冠(1組優勝)-豊島将之名人(1組4位)戦を東京・将棋会館よりお送りします。どうぞお楽しみに。

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以上で本局の中継を終了いたします。ご観戦いただきましてありがとうございました。


※両対局者への終局後のインタビューは、「終局直後」のエントリーで掲載しています。

2019年7月23日 (火)

Photo_112(勝った豊島将之名人。タイトルホルダー、また1組の貫禄を見せる勝利を挙げた)

Photo_113(敗れた藤井聡太七段。準決勝進出はならなかった)

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Photo_121(感想戦の様子)

終局直後、主催紙から両対局者にインタビューが行われました。まずは豊島名人から。

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――本局を振り返ってください
豊島 序盤、待つ展開になりましたが、4筋の位が大きく、模様が悪いように思っていました。夕食休憩のあとはちょっとよく分からない展開が続きました。

――公式戦3度目の対戦となった藤井七段の印象はどのように感じられましたか
豊島 序盤でゆっくり指され、苦労の多い将棋になったように思いました。こちらが序盤で失敗しているのかもしれないです。

――次は準決勝で渡辺明三冠と対戦します
豊島 体調に気をつけて、しっかりと調整して臨みたいと思います。

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続いて藤井七段にもインタビューが行われました。

――本局を振り返ってください
藤井 動いていく展開になりましたが、的確に対応されてしまったように思います。

――具体的な反省点はありますか
藤井 77手目に▲5五歩と動いていきましたが、その周辺で読みが足りていなかったように思います。

――豊島名人の印象はいかがですか
藤井 本局は駒がぶつかってからの精度の差が出てしまいました。そのあたりが今後の課題のように思います。

――来期に向けて
藤井 また力をつけて、頑張りたいと思います。

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20190723134 ともに一分将棋に入った最終盤。先手玉は△3六角が明快な詰みとされていましたが、豊島名人は△5七香成を選択。こちらは手順が長くなるが、やはり詰んでいそうと棋士室では話されており、豊島名人が勝勢になったようです。

20190723128 図は飛車取りを掛けながら△5七金を見せた局面。ここで▲2五桂が△3六角で抜かれるだけに指しにくい手ながら妙手とのことで、△5七金には▲5九玉△3七角成に▲4八歩で先手勝ちと話されていました。しかし実戦は▲1七飛で、これは△5五飛に▲同銀は△5六香以下先手玉が詰むため、再逆転したと見られています。

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図は22時16分ごろの局面。ここで豊島名人が3分考え、残りは藤井七段が4分、豊島名人は10分となっています。検討では豊島名人が指せそうとされていますが、杉本昌八段は「藤井が勝ちになる順もある」と話しており、最終盤の検討が行われています。

Photo_107 (棋士室の検討の様子。杉本昌八段はいつしか豊島名人側に回っていた)

20190723118 先手は3三を後手は5筋を攻める展開となっていますが、受ける側の利きも多く、一筋縄では倒れないようです。よってここでは▲4五桂と力をためる手が話されていましたが、藤井七段はいきなり▲3三桂と打ち込んでいきました。

20190723110 図の△4五桂は▲5二歩△同飛に▲5三歩があるため、指さないのではと予想されていたところで、脇八段は「豊島名人はケリをつけに行きましたね」とこの手に込められた意味について話しました。本譜は図以下▲1一角成△5七桂成▲同金△2一金(下図)と進みましたが、平藤七段は「藤井さんがよくなっていてもおかしくなさそうです」と見解を述べました。

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20190723109 図は21時50分ごろの局面。脇八段は「一時期は入玉勝負といった展開も予想されましたが、これは攻め合いになりそうに思います。大変な勝負という印象で、藤井さんのほうを持っても戦えるように思えてきました」と現局面について解説。継ぎ盤も△5二香に▲3三角成の踏み込みが並べられるなど、一層の盛り上がりを見せています。