カテゴリ「第32期竜王戦決勝トーナメント」の記事 Feed

2019年7月23日 (火)

20190723106 △3三桂打に▲3四歩と堅いところを攻めにいった藤井七段。対して豊島名人はノータイムで2六にいたと金を3六に寄せました。2七にいたと金がじりじりと先手玉に忍び寄る順で、次に△4七とや△2六角を見せています。解説会場から戻った杉本昌八段は棋士室の検討の様子を尋ねると、平藤七段は「先手が忙しそうですね」と返答しました。

20190723104図は香取りに△3三桂打と桂を投入したところ。桂を跳ねられるところでしたが▲3四歩と突かれてもそれほど響かない展開を豊島名人は選びました。これを見た村山七段は「やっぱり打つんですね」と感想を述べると、「ここで▲3四歩とは突きづらいですね。▲3四桂とかでしょうか」と候補手を挙げました。

20190723100 21時7分、豊島名人は成桂を見捨てて2七にと金を作りました。手数はこの手で100手に到達。ここからは▲1九飛△2六との順を脇八段は予想しており、「そうなると長い将棋ですね」と解説しました。

20時30分、大盤解説会に井上九段と杉本昌八段がゲスト出演しました。

Photo_102 (前回の▲久保-△藤井聡戦の解説会でも競演した井上九段と杉本昌八段。そのときは杉本昌八段がゲスト出演だった)

Photo_103 (「どうもー、谷川です」と関西人らしいつかみから入った井上九段)

Photo_104 (杉本昌八段も負けじと爆笑トークで応戦)

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2019072393 図は20時26分の局面。藤井七段は取られそうな桂を歩頭に跳ね、飛車のさばきを目指しました。本譜も△2五同歩に▲3六飛と飛車のさばきに成功。ただ、△2四銀に再び手を止めて考えており、残り時間は35分ほどとなっています。

2019072389 図は20時ごろの局面。ここで△3七歩成は▲同飛で▲3四歩が残り先手よしとされており、棋士室では△2七桂や△2三金が示されていますが、「△2三金は豊島名人の棋風ではないですね」ということで、△2七桂が本命視されています。ただ、▲3八飛△1九桂成▲5五歩△2九成桂に▲6七玉と三段目に玉を上がった形が金銀4枚に囲まれた強固な陣形で、「これは藤井の館になってしまいますね」と星野四段。よって、後手は△2九成桂では△1八成桂▲同飛△3五角のように非常手段で迫る必要がありそうと話されています。

Photo_100 (20時ごろの棋士室。井上九段が検討に加わっていた)

Photo_101 (村山七段は中継記者に解説を行っていた)

19時35分ごろ、大盤解説会場には90人ほどのファンが詰め掛けていました。

Photo_96 (19時45分ごろの大盤解説会場)

Photo_97 (ネクタイに手を当てて話す谷川九段。本局の対局者を真っ先に浮かべたファンも多いことだろう)

Photo_98 (谷川九段が両対局者との思い出話や接点などを話していた)

Photo_99 (谷川九段の話を聞き入る長谷川女流二段)

2019072383 図は19時14分ごろの局面。藤井七段が▲4六角と飛車から逃げたところです。こう逃げると5七の金が動けなくなって怖いところでもありそうですが、藤井七段は恐れることなく角を引きました。

12 (朝、対局開始が近づき、拳にも力が入った)

19時ごろ、棋士室では継ぎ盤を用いて検討が行われていました。

Photo_90 (藤井七段側に座る、杉本昌八段と星野良生四段)

Photo_91 (星野四段)

Photo_92 (杉本昌八段。弟子の藤井七段側に座ったのはたまたまだろうか)

Photo_93(豊島名人側に座る脇謙二八段と平藤眞吾七段)

Photo_94 (脇八段。日本将棋連盟専務理事でもある)

Photo_95 (平藤七段)