カテゴリ「第32期竜王戦七番勝負第5局」の記事 Feed

2019年12月 7日 (土)

79 図は豊島名人が飛車取りに角を打ったところ。飛車が逃げれば▲5四桂が厳しくなる仕組みです。ただ鈴木九段は「この瞬間は先手は次は▲8四角と飛車を取るよりなく、ここは広瀬竜王の猛攻のしどころではないかと思います。第一感は△4八とですが、飛車打ちの王手もあるかもしれないですね」と解説しました。本譜は広瀬竜王はここで△2九飛の王手を選んでいます。

Photo_67 (公民館の庭園内にある池で泳ぐ鯉たち)

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75 図は△3七歩成と2八の飛車取りに歩を成った手に対し、豊島名人が▲2五飛と飛車で桂を食いちぎって勝負にところ。控室では本局は終局が遅くなりそうと話されていましたが、鈴木九段は「これは一気に終盤戦ということもありそうですね。ただ先手が少し無理をしているようには思うのですが」と、この飛車切りについての印象を述べました。なお、豊島名人はこの2手前の▲5八金で、残り1時間を切っています。対して、広瀬竜王は残り2時間ほど残しています。

Photo_66 (動画取材に解説する鈴木九段)

72 図は16時前の局面。広瀬竜王は先手の飛車を二段目につり上げてから△2四金と力をためました。控室では△3九角が予想されていたところで、糸谷八段は「力をためましたね。これは次に△3七歩成▲同金△3九角を狙っています」と解説しました。

15時20分ごろ、控室に両対局者が注文した2日目午後のおやつが運ばれました。

Photo_63 (シフォンケーキを食べた里見女流四冠は「これ、すごく美味しいです。生クリームが甘すぎなくて、私好みです」と感想を述べた)

Photo_64 (糸谷八段は里見女流四冠に勧められて栗御門を食べることに)

Photo_65 (糸谷八段は「栗と餡だと栗ようかんのようなイメージを思い浮かべられるかと思いますが、外の皮がとてもしっかりとしていて甘さを調和しており、しっとりとした味わいがあります」と食レポした)

15時になって2日目午後のおやつが両対局者に出されました。広瀬竜王は「シフォンケーキ(さらの木)とホットコーヒー」。豊島名人は「栗御門とアップルジュース」を注文しています。

Photo_58 (広瀬竜王注文の「シフォンケーキ(沙羅の木)とホットコーヒー」)

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Photo_61 (豊島名人注文の「栗御門とアップルジュース」)

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68 千日手の可能性を示唆していた控室ですが、広瀬竜王は△8六歩▲同歩と8筋を突き捨てたあと、△3六歩と千日手を回避。糸谷八段は「広瀬竜王は勝ちにいこうとされていますね。実際、現局面は広瀬竜王が少しいいように思います」と感想を述べました。

Photo_57 (控室では糸谷八段と里見女流四冠が口頭検討を行っていた)

20 (まち歩きをしていると、地元の花屋から花束が贈られた)

21 (津和野の歴史が分かる「津和野町日本遺産センター」を訪れた)

24 (「津和野百景図」。最後の藩主亀井茲監の業績をまとめた「以曽志乃屋文庫」とともに亀井家に納められた文書の一つで、藩主の側に仕えた栗本里治が藩内をめぐり、名所や風俗、食文化などをスケッチして約4年の歳月をかけて百枚の絵を描き、詳細な解説を加えてまとめた)

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25 (「津和野市街絵図」。幕末期の津和野城下の地図が描かれており、津和野百景図の作者・栗本格斎によって書かれた。こちらの古地図には地図以外にもたくさんのものが描かれており、地図の周囲を囲うように津和野藩内の歴史や行事、人々の暮らし、藩主の暮らしぶりが絵と文章でぎっしりと描かれている)

27 (津和野のまち歩きが終わり、取材に答える糸谷八段。「とても心が洗われました」との感想を述べていた)

26 (里見女流四冠は「地元、島根県出身ですが、津和野はこれまで通ったことがあるかどうかという感じでした。今回、このような機会に恵まれ津和野のまちの風情を感じられて、大変うれしく思います」と話した)

以上、3回に分けて棋士と津和野のまち歩きの様子をお送りしました。

Photo_54 (14時前の大盤解説会場。たくさんのファンの方が詰め掛けていた)

Photo_55 (糸谷八段がゲスト出演していた)

Photo_56 (糸谷八段は61手目の▲3五歩を見て「それまではやや先手持ちでいたのですが、互角に戻ったような印象を受けています」と解説していた)

63_2 図は豊島名人が▲7四歩と突いた局面。控室では悲鳴に近い声が上がりました。というのも図から△7四同飛▲7六歩△7五歩▲同歩△8四飛となれば▲7四歩で図の局面に戻るからで、そうなれば千日手模様。途中、△7五歩を打たずに△8四飛は▲2四歩△3三金(△同金は▲6六角)▲3四歩で先手の攻めの調子がいいので△7五歩ですが、▲8二角が残っているため後手も△8四飛と戻ることになりそうで、どうやら千日手の可能性が高くなったのではないかと言われています。