カテゴリ「第32期竜王戦七番勝負第5局」の記事 Feed

2019年12月 7日 (土)

119 図の局面で広瀬竜王の手が止まり、残り20分から12分使ってさらに考え続けています。鈴木九段は「どうやって預けるかなんだけど、その手段が難しいです」と、うまく自玉の詰みを回避しながら先手玉に迫る手段が見えないことを表現しました。

Photo_73 (モニターに映る豊島名人の駒台。15枚の持ち駒は平坦ではすべて乗りきらず、4枚の銀のうちの1枚は下の銀が見えるようにして重ねて置かれていた)

118 広瀬竜王は時間を使うことなく王手を続けますが、鈴木九段は「不思議だ。▲6八玉のときに後手の勝ちが見えないんですけど」と話しています。控室では豊島名人持ちの声も上がりはじめていますが、広瀬竜王に何か用意の手段があるのでしょうか。

Photo_72 (鈴木九段は広瀬竜王の真意をはかりかねていた)

110 どうやら先手玉には詰みがなさそうとのこと。現状は先手の2二の馬を抜きながら自玉が詰まない変化があるかどうかが調べられています。それにしても広瀬竜王は20分残しているなか、決断の早い着手が続いています。勝ちを読みきっているのでしょうか。

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豊島名人は残り7分から3分使って▲9七玉を選択。残り4分になりました。以下△8五桂▲同歩△8六角▲同玉△7四桂でかなり王手が続きます。どうやら広瀬竜王が寄せきるか、豊島名人がしのぐかの勝負となったようです。

101 検討どおりに進み、ここで△8九銀不成のときに▲9七玉で先手玉の詰みが見えないと糸谷八段。「ただ、広瀬竜王はとても落ち着いているんですよね。何か我々が見えていない詰みを読みきれているのかもしれないですが、ひょっとしたら錯覚で詰みだと勘違いがあるのか、どちらかだと思います」と解説しました。

97 図は7七で銀桂交換された局面。ここで△8八銀▲2二飛成△同飛成▲同角成△8九銀不成のときに▲8七玉か▲9七玉かに分かれ、いずれも難解極まりない終盤となるようです。少し前までは広瀬竜王が勝勢というような声も聞かれた控室ですが、その空気はすでになく、見解も揺れています。

Photo_71 (継ぎ盤に視線を落とす糸谷八段と里見女流四冠。その表情からも難解さが伝わってくる)

93 図は豊島名人が▲6六角と7五から角を引いた局面。この手には当初△3五金がぴったりになると見られていましたが、そこで▲2一飛を藤原七段が指摘。以下△3一銀打▲3三銀△5二玉▲2二銀不成△7七桂成▲同角△8八銀とすれば後手が勝ちそうなものの、ギリギリの勝負になりそうとされています。「よって、ここでは△7七桂成▲同角△8八銀と寄せにいくほうがよさそうです」と糸谷八段は解説しました。

88 図は広瀬竜王が△6五桂と打ったところ。次に△7七桂成が△8九飛成以下の詰めろで、▲7七同金と取っても△7九飛成で一手一手の寄りです。ただここで▲6八銀は△6九飛成や△6九角が厳しく、▲2一飛の攻め合いも△3一銀や△3五金と受けられて継続が難しく、控室では「これはちょっと差がつきはじめていますね」という声が聞かれました。

86 図は△8七歩と王手で歩を打った局面。小林健立会人は「この歩の対応が難しいですね。ちょっと差がつきはじめているのかもしれないです」と感想を述べました。

Photo_70 (里見女流四冠と継ぎ盤検討する小林健二九段)