前記事から△7二同金▲5二馬に、稲葉八段は△4六歩と先手の玉頭から迫りました。以下▲4六同歩に△5五桂と縛り、▲5九玉と落ちたのが図の局面。中継室を訪れた新聞解説の石田直裕四段は、後手勝勢と判断しています。
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2017年7月10日 (月)
後手優勢
図は21時30分頃の局面。先手は図から△7二同金▲5二馬で、カナ駒を入手できる形にするのが狙いと思われます。ただ、そこで△2八歩成で後手が一手勝っていそうと見られています。また、図の局面ですぐに△2八歩成も有力のようです。いずれにしても、△2八歩成の局面で先手に何かうまい手があるかどうかがポイントです。
先手が苦しい展開か
図は21時過ぎの局面。一手を争うギリギリの終盤戦が続いています。後手は△2七歩の垂らしが確実な攻めで、先手に大きなプレッシャーをかけています。次の△2八歩成が2手スキになるため、先手はここで2手スキの連続で迫りたいのですが、検討ではうまい攻めが見つかっていません。難解な局面ですが、ここにきて後手持ちの声が多くなっています。
長い勝負か
対局再開
18時40分、対局が再開しました。稲葉八段は再開から10分少々使って△5一香と受けました。単純な攻め合いでは勝てないと見たのでしょう。難解な終盤が続いています。
夕食休憩
最終盤目前の長考合戦
局面は早くも寄せ合いに入っていますが、図の局面で稲葉八段が1時間を超える長考中です。後手が指したい手は△7八桂成。この手は詰めろではありませんが、7七の角取りなので、先手も手は抜けそうにありません。以下▲7八同金に△9八竜▲8八金△9九竜が予想されるところ。すでに詰む詰まないを読みきらないと指せない局面になっています。
本局の観戦記は読売新聞紙上で
丸山九段の大長考
丸山九段は昼食休憩明けから1手も指さずに大長考に沈みました。その手が動いたのは再開から実に2時間20分後。休憩前に使った13分と合わせて、2時間33分の大長考で▲7七角を着手しています。この手は、1局だけ存在する前例と同じ手です。
▲7七角までの消費時間は▲丸山3時間11分、△稲葉46分。