カテゴリ「第30期竜王戦七番勝負第2局」の記事 Feed

2017年10月28日 (土)

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図は△6二飛と回ったところ。渡辺竜王は柔軟な対応を見せます。△6二飛以下▲4八銀△1四歩▲4六角と進みました。

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▲3七桂は△4五歩に▲同桂の両取りを用意し、後手が角道を開けるのを牽制しています。▲4六角は、角のラインで△6五歩の動きを封じた意味。先手は渋い指し回しです。

Dsc_4506(対局再開直後の渡辺明竜王)

昼食休憩以降の盤上のポイントを振り返ります。

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昼食休憩に入る前に指された、△5三銀が分岐点のひとつでした。後手の構えは雁木です。今年になって流行している「ツノ銀雁木」は、6二の銀を6三に上がる形です。
本譜の雁木は△6二飛から△6五歩と飛車を6筋で使う含みがあり、ツノ銀雁木とは戦い方がやや違います。

Dsc_4447(昼食休憩前、羽生棋聖の△5三銀をきっかけに継ぎ盤が動かされた)

Dsc_4448(屋敷九段)

Dsc_4450(飯塚七段)

Dsc_4454(鈴木九段)

15時、両対局者におやつが運ばれました。渡辺竜王は「かもめの玉子」とホットコーヒー。羽生棋聖は「黄金海道三陸」と紅茶です。「かもめの玉子」は黄身あんをカステラ生地とホワイトチョコで包んだお菓子、「黄金海道三陸」はごまの風味を生かした焼き菓子。どちらも大船渡市に会社を置く「さいとう製菓」のものです。

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大船渡市は、岩手県南部の太平洋沿岸地域に位置する都市です。主要産業はセメント、水産業など。沿岸は典型的なリアス海岸となっており、世界三大漁場と呼ばれる三陸漁場は、寒流の親潮と暖流の黒潮がぶつかる豊かな漁場として知られています。いまの時期はサンマ、サケ、イクラ、ヤリイカなどが獲れるそうです。
観光地は碁石海岸、夏虫山など。碁石海岸は、国の名勝・天然記念物と日本の渚・百選に指定されています。

2011年3月11日に発生した東日本大震災では、市域に大津波が襲来し、各所に甚大な被害が生じました。6年たったいまでも、復興が進められています。

【岩手県大船渡市公式ホームページ】

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12時30分、渡辺竜王が53分使って昼食休憩に入りました。消費時間は▲渡辺1時間41分、△羽生1時間30分。昼食は、渡辺竜王が鉄火丼(サビ抜き)。羽生棋聖がアナゴ天丼、りんごジュース。対局は13時30分に再開されます。

Dsc_4441(鉄火丼のサビ抜き)

Dsc_4464(アナゴ天丼、りんごジュース)

Dsc_4421(屋敷九段が、明日の大盤解説会の景品用にサインをしていた)

Dsc_4423(屋敷九段の本は『最新振り飛車破り〈上〉 ゴキゲン中飛車破り 角交換振り飛車破り 石田流破り』(創元社、2012年)。飯塚七段の本は 『奇襲振り飛車戦法 ~その狙いと対策~』(マイナビ、2014年))

Dsc_4417(飯塚祐紀七段と関係者が手にしている本は……)

Dsc_4420(地元の愛棋家が持ってきた、屋敷九段の若手のころの著作。1993年1月に高橋書店から発売された『 速攻!!相掛かり戦法』、1993年5月に毎日コミュニケーションズから発売された『屋敷伸之の将棋  茫洋』。飯塚七段は読んだことがあり、内容をよく覚えていた)

Dsc_4439(発売から20年以上たっている。屋敷九段はサインを入れた)