カテゴリ「第29期竜王戦決勝トーナメント」の記事 Feed

2016年7月 7日 (木)

時刻は17時を回り、「棋士室」では練習将棋を終えた棋士たちが、モニター前に集まり始めました。

山崎八段と村田五段
(山崎隆之八段と村田顕弘五段)

大石六段と畠山七段
(大石直嗣六段と畠山鎮七段)

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(穴熊党の山口絵美菜女流2級)

16時38分、豊島七段が20分の考慮で▲6三桂と攻めに出ました。穴熊の急所を突く桂打ちで、△6二金右なら▲7一銀が厳しい追撃になります。

▲6三桂

豊島七段
(穴熊の守りをはがしに出た豊島七段)

こちらは白鳥士郎さんのライトノベル『りゅうおうのおしごと!』。

16歳にして竜王位を獲得した主人公・九頭竜八一(くずりゅう やいち)の元に、ある日突然、小学3年生の女の子・雛鶴あい(ひなづる あい)が弟子入りを希望し、押しかけてくるというストーリー。監修は西遊棋(関西の若手棋士たちによるユニット)が務めており、現在は第3巻まで発売されています。

りゅうおうのおしごと!

【りゅうおうのおしごと!特設ページ】
http://ga.sbcr.jp/sp/ryuoh/

時刻は15時30分を回りました。△4六歩以下▲2一飛成△4七歩成▲1八飛△5八と▲同飛△7八馬▲同金△6九銀▲4五角と進んでいます。この最終手▲4五角が攻防の一手で、棋士室では「先手優勢」の見解でまとまっています。ここまでの消費時間は▲豊島七段1時間39分、△青嶋五段2時間30分。

▲4五角

ミーティングルーム
(こちらは3階のミーティングルーム)

淡路九段
(本日、対局立会人を務めている淡路仁茂九段)

池田将之さん
(読売新聞観戦記を務める池田将之さん。私物のタブレットで進行を確認している)


西川五段と都成四段
(棋士室では西川和宏五段と都成竜馬四段が、モニター前で検討を続けている)

大阪市福島区にある「関西将棋会館」は、JR大阪環状線・福島駅から徒歩3分の場所にあり、竣工日は1981年7月7日。本日35周年を迎えています。

関西将棋会館
(今日で35周年を迎えた関西将棋会館)

礎石
(エントランス横にある礎石。故・大山康晴十五世名人の書で、着工は5月と記されている)


関西将棋会館の公式Twitter。こちらも本日1周年です。

Twitter

【関西将棋会館Twitter】
https://twitter.com/shogi_osaka

14時50分、△5六馬以下▲6一銀成△同金左▲3一飛△6六歩▲6八歩△4六歩と進みました。図の△4六歩も油断ならない突き出しで、ここで▲5八飛なら△7八馬▲同金△6九銀(参考図)で、穴熊らしい食いつきがあります。ここまでの消費時間は▲豊島七段1時間14分、△青嶋五段2時間13分。

△4六歩

△6九銀

こちらは関西将棋会館の3階にある「棋士室」。棋士や奨励会員たちが、練習将棋を指したり、対局の検討をしたりする場所です(関係者以外は立入禁止です)。

棋士室
(本日は朝から大勢の棋士が練習将棋を指している)

久保九段
(明日対局を控える久保利明九段も姿を見せている)

今泉四段
(モニターを見ながら本局の見解を述べる今泉健司四段)

時刻は14時を回りました。△3九角以下▲3八飛△6六角成▲5二銀△5六馬と進みました。▲5二銀が厳しい打ち込みで、検討陣からは早くも「先手を持ちたい」との声が出ています。青嶋五段の△5六馬は44分の長考。6一の飛車を取らせて、攻め合いに出る方針のようです。ここまでの消費時間は▲豊島七段58分、△青嶋五段1時間43分。

△5六馬

竜王戦の決勝トーナメントは、第19期(2006年)から現行の形になりました。1組5位で出場した棋士は、組み合わせ上、初戦で4組優勝者、5組優勝者、6組優勝者のいずれかと対戦することになります。過去10年、1組5位で出場した棋士の初戦成績は以下の通りです(肩書、段位は対局当時)。

  • 第19期(2006年) 杉本昌隆七段○-●中村亮介四段(6組優勝)
  • 第20期(2007年) 谷川浩司九段○-●片上大輔五段(4組優勝)
  • 第21期(2008年) 羽生善治名人○-●糸谷哲郎五段(5組優勝)
  • 第22期(2009年) 松尾歩七段○-●豊島将之五段(5組優勝)
  • 第23期(2010年) 郷田真隆九段○-●戸辺誠六段(5組優勝)
  • 第24期(2011年) 佐藤康光九段○-●永瀬拓矢四段(6組優勝)
  • 第25期(2012年) 三浦弘行八段○-●稲葉陽六段(4組優勝)
  • 第26期(2013年) 山崎隆之七段○-●永瀬拓矢六段(4組優勝)
  • 第27期(2014年) 深浦康市九段○-●中村太地六段(4組優勝)
  • 第28期(2015年) 藤井猛九段●-○永瀬拓矢六段(4組優勝)

初回から9期連続で下位者の勝ち上がりを止めていましたが、前期、永瀬拓矢六段が初めてその厚い壁を突破しました。その後、永瀬六段は佐藤康九段、羽生名人に勝って、挑戦者決定三番勝負まで進出しています。果たして本局、青嶋五段は「1組5位の壁」を突破できるでしょうか。

12時40分、対局が再開しました。△5一金以下▲6六銀△3九角と進んでいます。このあと先手が飛車を逃げて、後手が△6六角成と銀を取り返せば駒の損得はなくなります。

△3九角

青嶋五段