カテゴリ「第29期竜王戦決勝トーナメント」の記事 Feed

2016年7月 7日 (木)

前記事の△7四歩以下、▲8三桂不成△同銀引▲同香成△同銀▲3四角△7二金打▲5二歩と進みました。図の▲5二歩の垂らしが厳しい一手で、次の▲5一歩成に6一の銀を逃げる場所がありません。青嶋五段はどうやってしのぐのでしょうか。

▲5二歩

青嶋五段

夜景
(21時頃の関西将棋会館前。すでに日は落ちており、街路灯がともっている)

時刻は20時30分を回りました。前記事の▲7九桂に対し、青嶋五段は5分の考慮で△7四歩と突きました。「大駒は近づけて受けよ」の手筋で、▲7四同角なら△7三金と打ち、先手を取って8三の地点を補強する狙いです。

そしてこの局面で豊島七段が20分以上考えており、両者ともに残り1時間を切りました。

△7四歩

都成四段
(棋士室では都成四段が継ぎ盤を使って検討している)

時刻は20時を回り、前記事の△1九竜以下▲8六香△6一銀▲7五桂△9四銀▲6九桂と進みました。▲6九桂では、代えて▲5二歩や▲5二角成などが予想されていましたが、この自陣桂は△7九竜と切られる手を消し、次に▲3四角のような大駒の活用を狙っています。ここまでの消費時間は▲豊島七段3時間39分、△青嶋五段4時間12分。

▲6九桂

豊島七段

前記事の△6六桂以下、▲7九金打△7八桂成▲同角(第1図)と進みました。後手が金駒を増やし、穴熊らしい粘りを見せています。

▲7八同角

第1図から青嶋五段は2分の考慮で△1九竜(第2図)と取りました。この手に棋士室の大石六段はやや意外そうな反応。▲6四桂~▲7二香の攻めが厳しいと読んでいます。

△1九竜

大石六段
(本局の新聞解説を担当する大石直嗣六段)

18時40分、対局が再開しました。ここからは終局まで休みなく指し継がれます。再開後、局面は▲7七金打△7八桂成▲同金△6六桂と進みました。青嶋五段が桂を使って先手の守り駒をはがしに出ています。

△6六桂

青嶋五段

棋士室
(棋士室では平藤眞吾七段と畠山鎮七段が継ぎ盤を使って検討している)

御上段の間
(夕食休憩時の御上段の間)

盤面
(88手目△6六桂の局面)

タブレット
(本局の記録で使用しているタブレット端末)

夕空
(5階から見る大阪の空。外はまだ明るい)

加藤女流二冠と長谷川女流二段
(棋士室に来訪している加藤桃子女流二冠と長谷川優貴女流二段)

児玉八段
(こちらは2階の道場で指導対局を行っている児玉孝一八段)

囲碁・将棋チャンネル「将棋プレミアム」では、このあと18時30分より、実況解説が行われます。本日の解説担当は千葉幸生六段、聞き手は安食総子女流初段が務めます。

千葉六段安食女流初段

将棋プレミアム

【将棋プレミアム(囲碁・将棋チャンネル)】 ※ご覧になるには会員登録(有料)が必要です。
http://www.igoshogi.net/shogipremium/

18時ちょうど、図の88手目△6六桂の局面で、豊島七段が28分考えて夕食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲豊島七段3時間7分、△青嶋五段3時間26分。夕食の注文は、両者ともにありません。対局再開は18時40分です。

△6六桂

▲6三桂以下△6二歩▲5二銀△7二金左▲7一桂成△同金▲6一銀成と進みました。

駒割りは角桂交換で先手の駒得。▲6一銀成が着実な攻めで、豊島七段がリードを広げています。ちなみに▲6一銀成に代えて▲6一金と打つのは△7二金打▲7一金△同金で千日手模様になります。

▲6一銀成

笹の葉
(本日は七夕。JR福島駅の改札前には、笹の葉に願い事を書いた短冊が吊るされている)