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2015年6月29日 (月)

投了図

第28期竜王戦決勝トーナメント▲稲葉陽七段-△豊島将之七段戦は、22時42分、101手で稲葉七段の勝ちとなりました。消費時間は▲稲葉七段4時間55分、△豊島七段4時間59分。勝った稲葉七段はベスト4進出が決まりました。

Ryuou201506290101_88図は▲7六歩と銀を取った手に△1二玉とかわした局面。大駒4枚全ては後手に渡りましたが、金銀は7枚が先手のものです。△1二玉までの残り時間は▲稲葉21分、△豊島5分。△1二玉なら先手が元気になるとの声も聞かれます。

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図は21時50分頃の局面。稲葉七段が飛車切りの強襲に出ました。▲4三飛成までの残り時間は両者ともに22分。

Toyoshima7_2(昼食休憩明けの豊島七段)

Inaba7 (稲葉七段は飛車切りの攻めが決まるか)

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上図の局面での考慮中、稲葉七段の側にも早見表が出され、両者残り時間1時間を切りました。

Camera1

(対局室モニターの映像。記録机の上に早見表が2枚並べられた)

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ほどなく稲葉七段が▲7七歩と指し、以下△6八銀▲同金左△同歩成▲同玉と進みました。
▲6八同玉までの残り時間は▲稲葉52分、△豊島42分。

棋士室では継ぎ盤が2面設けられて検討が活発になってきました。

Kentou1 (左から平藤眞吾七段、糸谷哲郎竜王、星野良生四段。右端は畠山鎮七段)

Kentou2 (こちらでは村田顕弘五段が奨励会員と検討している)

Kentou3 (村田顕五段の継ぎ盤を見つめる長谷川優貴女流二段)

Ryuou201506290101_57夕食休憩が明けてすぐに稲葉七段は▲8六銀を着手しました。▲8六銀打と持ち駒を投資するのではなく、温存して盤上の駒を使う手です。対して畠山鎮七段は「(1)△8六同飛▲同歩△6六歩と(2)単に△6六歩を読んで、それで成算が持てなければ飛車を引くでしょうね」と解説してくれました。豊島七段は19分考えて△8三飛と引いています。

Inaba5 (稲葉七段は棋士室では検討に上がらなかった▲8六銀を着手)