控室では(A)△8五桂、(B)△3二飛、(C)△5二銀が候補手として示されています。
(A)△8五桂
久保九段、北浜八段、村田女流二段が候補に挙げました。
「封じ手局面は微差で先手持ちです。それまでは後手が苦戦と感じていましたが、40手目の△4三金で後手からも動けるようになり、景色が変わりました。△8五桂の封じ手予想はかなり自信があります。以下▲8六銀には△5五角▲6六角として、△同角▲同歩△4九角(A-2図)で、後手もそこそこ戦えそうな気がしています」(久保九段)
途中、△6六同角のところで△1九角成とする決戦策も有力だと示していましたが、以下▲8四角△7三金▲8五銀△8一香▲7三角成△同玉▲7七桂で何ともいえないようです。
(新聞解説の久保九段。40手目△4三金に好意的だった)
「先手はこのあと▲6八金右から方針が立てやすく、玉形が堅くなっては先手がよくなります。ただ現局面の形勢自体はいい勝負と見ていまして、△8五桂で攻める順を選んでみたいです」(北浜八段)
「封じ手の局面は先手持ちです。玉形がしっかりしていて綺麗なところがその理由です」(村田女流二段)
(B)△3二飛
稲葉七段、室田女流二段の候補手です。
「封じ手の局面は、形勢自体は難しいと思いますが、元々の先手持ちの見解はまだ変わっていません。封じ手は2手前に△4三金とした流れからも、△3二飛としてみたいです。以下▲2二歩成△同銀▲3四銀!△同金▲4三角△3三金▲3二角成△同金▲4一飛△8五桂のような進行になれば、後手もまずまずかなと思います」(稲葉七段)
上記変化は、下記の記事内でも調べられていました。あわせてご覧いただければと思います。
https://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2015/11/post-33d1.html
「封じ手の局面は先手持ちです。私は振り飛車党で、後手が振り飛車っぽいですが、玉が6二なので不安が多いと思います。8二くらいまで行っていれば、という感じです」(室田女流二段)
(C)△5二銀
山崎八段ただひとりが示した△5二銀。
「封じ手は△3二飛▲3四歩を入れてから△5二銀としたいところでした。△3二飛ではみんなと同じになるので、単に△5二銀を予想します。でも△3二飛に▲3四歩なら後手がかなり得なのに、△5二銀とかする人いるかなあ(笑)」(山崎八段)
(明日、大盤解説を担当する山崎八段。続けて、封じ手までの流れも示してくれた)
「この将棋は後手が苦労に苦労を重ねて、それでもよくならない印象なのですが、糸谷竜王が思いもつかない手の組み合わせでうまくバランスを取っているように思います。それで形勢自体は難しいのでビックリしています。こういう形をまとめていくのが好きな方なので、自分なら封じ手の局面は後手を持って指したい、ということはありますね」(山崎八段)
(封じ手予想インタビュー・書き起こし=潤記者)