カテゴリ「第25期竜王戦七番勝負第3局」の記事
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丸山九段大長考
図で丸山九段が1時間30分以上の大長考に沈んでいます。丸山九段は後手玉を狙う攻め、渡辺竜王は先手の攻め駒を「責め」ています。
当初、(1)▲6六角を調べていましたが、△3七歩成▲4三歩成△3三歩と応じられて攻めが細いかもしれません。佐藤天七段は飛車を取ってくれと(2)▲4五飛を指摘。△同金なら▲同桂から▲6六角を狙う発想です。5四金がいなければ△6五歩のプレッシャーが消え、さらに桂が3三に利いてコビン攻めが強烈です。また、(3)▲2五桂△3七歩成▲4五飛もあるようです。
丸山九段は残り時間や△5四金での考慮時間を聞いて、「いやー」とうなって座り直りました。中盤の難所。手が広い局面です。
検討例は(2)▲4五飛△同金▲同桂△2九飛▲6六角△1二玉(参考1図)。(3)▲2五桂△3七歩成▲4五飛△同金▲同銀△2九飛▲6六角(参考2図)。
いずれにしても、コビンを狙う攻めが決まるかどうかです。
鹿児島名物(3)
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2日目 午前のおやつ
佐藤天七段の見解
封じ手の52手目△3五歩から▲4五歩△3六歩▲4四歩と直線的に進みました。佐藤天七段に見解を聞きました。
佐藤天七段「封じ手は△5四銀か△3五歩が有力と思っていました。△5四銀は▲4五歩から攻められるのが嫌だったのでしょう。△3五歩は飛車と銀が働かないのでやりにくい面もありますが、先手の具体的な手が難しいと見たのでしょう。▲4七銀と引くなら指す価値がありますから。
▲4四歩の局面では△3七歩成から考えたい。△3七歩成に▲4三歩成からの総交換でどうか。▲4五飛は桂の取られ方がひどくて普通は後手がいいですね。以下△3三金寄▲8五飛△8二歩▲7一角△5二飛(参考図)で▲8二角成は△7四銀、▲8二飛成は△同飛▲同角成△9三桂で、△8五桂の味がいいので先手良しと言えないでしょう。
竜王は長考していますが、どう考えているのか。
△5四金もあります。▲6六角が利くと大変ですが、行ったきりの手なのでどうか。例えば、△6五歩の催促や△3七歩成▲4三歩成△3三歩のような手も考えられます。
先手は▲4八飛(51手目)で▲4五歩△同歩▲4八飛(参考2図)も考えられましたが、△4六角▲4七飛△5四銀を気にされたのでしょう。渡辺竜王が最強の手で▲4八飛をとがめにいきました」