カテゴリ「第25期竜王戦決勝トーナメント」の記事 Feed

2012年7月30日 (月)

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16時30分ごろ、山崎七段は▲3四歩とこじ開けに出ました。
△同銀には▲3三桂成△同金▲2二歩か、あるいは▲3四飛と飛車を切る強手も見えるものの、やや無理筋か。

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16時30分頃の対局室は西日がさしている。
山崎七段は▲3四歩を着手して、ぐいっとグラスの水を飲んだ。

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図は15時30分過ぎの局面。
山崎七段は▲3七桂に続いて、▲4五桂とさらに積極的に二段跳び。
対して△2二角や△4四角では▲2四歩が厳しいため、△4二角が予想されますが、そこで▲6五歩(参考図)と角道を通す手が見えます。
駒を前に進める山崎七段らしい構想で、局面は風雲急を告げています。

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16時過ぎ、49手目▲4五桂以下△4二角▲6五歩△3三歩と進みました。
消費時間は▲山崎2時間4分、△飯島2時間45分。

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図は15時過ぎの局面。
直前に後手が△2五歩と突いて動きを見せました。▲同歩には△2八歩の狙いです。
対して先手の山崎七段は突かれた歩を放置して積極的に▲3七桂と跳ねだしました。
局面は徐々に激しさを増しています。

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14時前に指された▲6六歩は前例のない一手。山崎七段は6分の少考で新手を繰り出しました。
消費時間は▲山崎1時間6分、△飯島1時間45分。

中継室を訪れた片上大輔六段は「山崎さんがお昼を過ぎても前例通りに指しているのは珍しいですね。大一番で有名な将棋ですが、山崎さんなら知らずに指している可能性もないとはいえません。終局後に聞いてみたいところです」とのこと。

▲6六歩は山崎七段の研究か、あるいは今日考え出した手なのでしょうか。
飯島七段は恐らく研究して臨んでいると思われますが、果たしてこの手は想定していたのでしょうか。

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6分の少考で新手を繰り出した山崎七段(朝の表情)。

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局面は前述した▲羽生二冠-△中村太六段戦と同様に進んでいます。
どちらが手を変えるのかが、注目されます。

13時20分頃、中継室には上野裕和五段が来訪しました。
「あの将棋ですね。基本的には先手を持ちたい将棋です。後手の△7二金型は玉が薄いのであまり指されなくなった形ですから。もちろん飯島さんがこう進めたからには、深い研究があってのことでしょうが」(上野五段)

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12時58分、飯島七段が盤の前に戻って考えていた。

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対局再開直後の様子。

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相手が不在のまま飯島七段の手が伸びて飛車をつまみあげる。

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その手は横に大きく動いて8五に着地。

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13時2分頃の様子。山崎七段はまだ戻っていない。

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12時10分、図の局面で飯島七段が12分使って昼食休憩に入りました。
消費時間は▲山崎44分、△飯島1時間13分。昼食の注文は両者ともになし。
対局は13時に再開されます。

現局面は7月に入ってから、順位戦A級や棋王戦決勝トーナメントで指されており、さらに7月20日(金)に行われた王座戦挑戦者決定戦▲羽生善治二冠-△中村太地六段戦でも現れた最新形です。▲羽生-△中村太戦では図から△8五飛の新手が指されています。それ以前は△3四飛と引く将棋でした。

飛車をかわす位置を明らかにせずに休憩に入れた飯島七段。再開の一手が注目されます。