カテゴリ「第24期竜王戦ランキング戦6組(男性棋士vs.女流棋士)」の記事
両取りの角
▲大石四段-△矢内女流四段戦では、矢内女流四段が△6四角(図)と角を据えた。8六歩・4六歩の両取りだ。確実に歩得が見込めるものの、角を手放してしまうデメリットも大きい。矢内女流四段はこの角をうまく使える形にしていく必要がある。
11時40分頃、局面は上図のように進展した。先手と後手の陣形を比べれば、△6四角の影響がよくわかる。先手は角を打ち込まれる心配がなくなったため、気がねなく金銀を玉側に集めることができる。いっぽうの後手は、角打ちのスキを作ってはいけない。金銀を左右に配置してバランスをとっている。
矢内女流四段の狙いは△3五歩~△3六歩。角の利きを生かして飛車を攻める。先手は金銀の物量差を生かして、玉頭を圧倒する展開に持ち込みたい。
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積極的な駒組み
戦型表
清水女流六段、石田流急戦を選択
伊藤真四段-清水女流六段戦、対局開始
9時50分頃、特別対局室に動きがあった。伊藤真四段が対局室に現れたのだ。伊藤真四段は52分の遅刻で、3倍引きで156分=2時間36分が持ち時間から引かれることになる。両者駒を並べ、9時56分に対局が始まった。
対戦成績は2局戦って伊藤の2勝。2007年と今年、王位戦予選で戦っている。清水女流六段の対男性棋士成績は29勝139敗(0.173)。対局数168は女流棋士中トップで群を抜いている。
【伊藤真吾(いとう・しんご)四段】
1982年1月4日生まれ、東京都八王子市出身、桜井昇八段門下。1993年9月に奨励会へ6級で入会、2007年4月に四段昇段。
【清水市代(しみず・いちよ)女流六段】
1969年1月9日生まれ、東京都東村山市出身、(故)高柳敏夫名誉九段門下。1985年4月女流2級、2000年10月、女流棋界で初の女流六段。タイトル獲得は女流名人10期、女流王将9期、女流王位14期、倉敷藤花10期で獲得合計は43期。タイトル戦登場回数は62回。女流名人・女流王将・女流王位・倉敷藤花の4タイトルでクィーン称号を獲得している。棋戦優勝はレディースオープントーナメント7回、鹿島杯女流将棋トーナメント3回で合計10回。1996年7月文部大臣表彰、1997年2月都民文化栄誉章、2000年11月東村山市民栄誉賞、2008年8月倉敷市将棋文化栄誉章を受賞している。
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里見女流三冠、得意の中飛車
甲斐女流二冠の石田流
矢内女流四段、意表の振り飛車
大石四段-矢内女流四段戦
大広間の一角・雲鶴(うんかく)の間では、大石四段-矢内女流四段戦が行われている。両者は本局が初手合いだ。矢内女流四段の対男性棋士成績は5勝34敗(0.128)。
【大石直嗣(おおいし・ただし)四段】
1989年9月16日生まれ、大阪府八尾市出身。森信雄七段門下。2009年4月に四段昇段。第51期王位リーグ入り。
【矢内理絵子(やうち・りえこ)女流四段】
1980年1月10日生まれ、埼玉県行田市出身。関根茂九段門下。1990年に育成会入会。1993年4月女流2級。2004年8月女流四段。タイトル戦登場は17回、獲得は女王2期、女流名人3期、女流王位1期で計6期。棋戦優勝はレディースオープントーナメント2回。2005年、2006年に最優秀女流棋士賞。2007年に女流棋士賞。2007年2月、第2回さいたま輝き萩野吟子賞。2008年7月、行田市観光大使。
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