カテゴリ「第23期竜王戦七番勝負第4局」の記事 Feed

2010年11月26日 (金)

50 (50手目△4四歩を見て)△4四歩でしたか。 △4六歩からの一連の手順は昔、「歩をバックさせる手筋」と呼んでいました。


Ryuou20101125159  ▲3四歩は早かったですね、名人には△4四歩が想定内だったのでしょう。  先手は3筋の位を取りました。 これは△4三銀左の一手です。 △4五歩は▲同桂△同銀左▲同銀△同銀▲5五角(参考図)で王手銀取りになります。

畠山成七段のチャット解説を図面入りで紹介します。

Photo_9 (封じ手の局面から)ここで後手どうやるのか、ぱっと見は、△2七角や△3五歩ですが。 ここで△7五歩▲同歩△6六歩もありそうですが、それだと先手も▲1五歩△同歩▲1三歩(参考1図)と攻め合ってどうでしょうか。


Photo_10 △3五歩は▲1五歩△同歩▲4五銀△同銀▲同桂と進み、後手が嫌か。 △4四銀なら▲8三銀△9三飛▲8二角成(参考2図)で▲8一馬から▲3四桂の狙いがあります。 

(若葉)

2日目ということもあり、控え室には多くの関係者が詰めかけている。

控え室には盤が2面。1つでは井上八段と、先程控え室に入った久保利明棋王・王将、稲葉陽四段らが検討を行っている。もう1つでは、昨日と同じく有吉九段と永瀬拓矢四段が10秒将棋で対戦中。有吉九段は一度席を外していたが、控え室に戻るなり永瀬四段を捕まえて嬉しそうに一言。

「また、やりましょうか。」

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(有吉九段と永瀬四段の練習将棋)

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(稲葉四段)

(若葉)

10時になり、両対局者におやつが出された。

注文は昨日と同じ。渡辺竜王はアイスコーヒー、羽生名人はホットコーヒー。

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(渡辺竜王のアイスコーヒー)

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(羽生名人のホットコーヒー)

(若葉)

Photo_3左の写真は封じ手用紙。封じ手は「▲○○○」と文字で書くのではなく、記録係の作成した局面図に赤矢印で示される。

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開封された封筒(上写真)。開け口は完全に切り離すのではなく、少し繋がった状態で残されている。これは「切り離す」という行為が「首を斬る」行為を連想させ、勝負に挑んでいる対局者に相応しくないと考えられているためだという説もあるが、有吉九段によると特に決まりはないそうだ。

(若葉)

封じ手は2日制対局のメインイベントの一つである。

どんな手が指されるのか?その手は予想の範疇、それとも予想外?また、その時の対局心理は?

あれこれ想像しているだけで話題に華が咲く。特に今回のような難解な局面での封じ手となると、ビックリ箱のような楽しみがある。

Photo 封じ手の開封は、まず前日の手順を並べ直すところから始まる(盤面の駒を一晩保存してるわけではない)。記録係の船江恒平四段の読み上げに従って、1日目の手順が初手から再現されていく。

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全て並べ終わったところで、定刻に立会人の有吉九段が封筒を開封する。封じ手は▲4六同角。

Habu

有吉九段の宣言を聞き届けると、羽生は▲4六同角を着手した。

48_7 第23期竜王戦の第4局は、本日9時に再開される。

昨日の増田裕司六段のチャット解説にもあったように、今後の展開を占う上で非常に重要な局面での封じ手となっている。羽生善治名人の再開後の指し手に注目が集まる。棋界最高峰の対局を本日もお楽しみ下さい。

(若葉)

2010年11月25日 (木)

Photo_81 増田六段

「羽生名人の(47手目)▲3五歩は前例が1局で渡辺竜王の研究をかいくぐったかに見えましたが長考で指された△4六歩が格調高いさすがの1手。ここ数手が勝敗に直結する大事な局面で両者の指し手が非常に興味深いです。

明日の展望ですがまず封じ手は何か?次に羽生名人がうまく局面を打開できるかそれとも渡辺竜王が棋風通りの手厚い受けで抑え込むかが最大の注目です。封じ手予想は▲2四歩です。△同歩に▲2八飛でどうなるかと思いました。

総合的な形勢判断ですが私は攻め将棋なので羽生名人の先手を持ちたいです。羽生名人52渡辺竜王48と見ます。」

(若葉)