カテゴリ「第23期竜王戦七番勝負第2局」の記事
参考棋譜 2
図の48手目△4二銀の局面は、以前は▲5五歩と▲3五歩が半々くらいの割り合いで指されていましたが、現在は▲3五歩が多いようです。
【参考棋譜 2】
開始日時:2002/12/26 09:00
終了日時:2002/12/27 18:59
棋戦:第15期竜王戦七番勝負第6局
持ち時間:8時間
消費時間:106▲479△477
場所:神奈川県・鶴巻温泉「陣屋」
先手:阿部 隆七段
後手:羽生 善治竜王
▲7六歩 △8四歩 ▲7八金 △3二金 ▲6八銀 △3四歩 ▲6六歩 △6二銀
▲5六歩 △5四歩 ▲4八銀 △4二銀 ▲5八金 △4一玉 ▲6九玉 △7四歩
▲6七金右 △5二金 ▲7七銀 △3三銀 ▲7九角 △3一角 ▲3六歩 △4四歩
▲6八角 △4三金右 ▲7九玉 △6四角 ▲3七桂 △3一玉 ▲3八飛 △2二玉
▲8八玉 △8五歩 ▲2六歩 △5三銀 ▲5七銀 △2四銀 ▲4六銀 △9四歩
▲1六歩 △1四歩 ▲1八香 △9五歩 ▲6五歩 △7三角 ▲2五桂 △4二銀
▲5五歩 △4五歩 ▲同 銀 △5五角 ▲4六歩 △7三角 ▲6六銀 △8六歩
▲同 歩 △5五歩 ▲7七角 △4四歩 ▲5五銀 △4五歩 ▲同 歩 △3三銀上
▲4四銀 △2五銀 ▲同 歩 △4七銀 ▲6八飛 △5六桂 ▲4一銀 △6八桂成
▲3二銀成 △同 玉 ▲6八金引 △5九飛 ▲5五桂 △4四金 ▲同 歩 △5五飛成
▲4三金 △2二玉 ▲5二歩 △2五龍 ▲2六歩 △3六龍 ▲3二歩 △6六桂
▲3一歩成 △7八桂成 ▲同 金 △6九銀 ▲6八金打 △7八銀成 ▲同 金 △8七歩
▲同 玉 △6九銀 ▲6七銀 △1三玉 ▲2一と △2四玉 ▲6八角 △4六角
▲同 角 △同 龍
まで106手で後手の勝ち
(銀杏)
参考棋譜紹介
図は48手目△4二銀の局面。テンポ良く指し手が進んでいます。この局面は実戦例が多数あります。ここでは、参考棋譜として2局紹介します。
【参考棋譜 1】
開始日時:2004/08/30 10:00
終了日時:2004/08/30 21:43
棋戦:第17期竜王戦挑戦者決定戦第1局
持ち時間:5時間
消費時間:127▲233△299
場所:東京・将棋会館
先手:渡辺 明五段
後手:森下 卓九段
▲7六歩 △8四歩 ▲6八銀 △3四歩 ▲6六歩 △6二銀
▲5六歩 △5四歩 ▲4八銀 △4二銀 ▲5八金右 △3二金
▲7八金 △4一玉 ▲6九玉 △7四歩 ▲6七金右 △5二金
▲7七銀 △3三銀 ▲7九角 △3一角 ▲3六歩 △4四歩
▲3七銀 △6四角 ▲6八角 △4三金右 ▲7九玉 △3一玉
▲8八玉 △2二玉 ▲4六銀 △5三銀 ▲3七桂 △9四歩
▲1六歩 △1四歩 ▲2六歩 △2四銀 ▲3八飛 △9五歩
▲6五歩 △7三角 ▲1八香 △8五歩 ▲2五桂 △4二銀
▲5五歩 △4五歩 ▲同 銀 △5五角 ▲4六歩 △8六歩
▲同 歩 △同 飛 ▲8七歩 △8二飛 ▲5七角 △3三桂
▲5六銀 △4四角 ▲4八角 △6二角 ▲4五歩 △4六歩
▲6六角 △7三桂 ▲1五歩 △同 歩 ▲3五歩 △同 銀
▲1三歩 △2四銀 ▲7五歩 △2六角 ▲4四歩 △同 金
▲3六飛 △3五角 ▲3三桂成 △同銀上 ▲2七桂 △5五桂
▲3五桂 △同 金 ▲同 飛 △同 歩 ▲5五銀 △同 歩
▲1五香 △9六歩 ▲同 歩 △9八歩 ▲同 香 △9七歩
▲同 香 △9五歩 ▲3四桂 △同 銀 ▲5五角 △3三銀
▲7三角成 △9二飛 ▲2六桂 △1八飛 ▲3四桂 △同 銀
▲5五角 △3三桂 ▲9一馬 △同 飛 ▲1二金 △同 香
▲同歩成 △3一玉 ▲9一角成 △9九銀 ▲同 玉 △7八飛成
▲6一飛 △4一桂 ▲2一と △4二玉 ▲4四香 △5三玉
▲6四馬
まで127手で先手の勝ち
(銀杏)
戦いの直前
摺上亭大鳥ギャラリー (2) 建物外の様子
ふくしまの散策と見どころ
摺上亭大鳥フロントには、周囲の観光案内地図が用意されている。
1.医王寺
「弘法大師により創立され、源義経に仕えて陣中に没した佐藤継信・忠信が眠る菩提寺」
2.中野不動尊
「開山八百余年、日本三大不動尊のひとつで厄除、眼守、三ヶ月の三不動が祀られています」
3.スカイライン
「福島市から磐梯高原に続くコースで『吾妻八景』が広がる雄大な景観が素晴らしい」
4.浄楽園
「室町時代の趣を備え、約25,000平方メートルの広大な敷地の池泉廻遊式庭園です」
5.福島市民家園
「江戸時代中期頃の民家や芝居小屋を移築復元し、当時の環境を再現しています」
6.花見山
「春には山全体に桜の花が咲き誇り『桃源郷』の言葉がふさわしい場所です」
(文)
羽生名人の作戦は「4六銀・3七桂型」
図は11時5分頃の局面。羽生名人は「4六銀・3七桂型」と呼ばれる作戦を選択した。その名の通り▲4六銀~▲3七桂と攻撃形を築く作戦で、攻撃力に優れる。基本的な狙いは、▲2五桂と桂をセットしてから3筋で銀を交換すること。端攻め(1筋攻め)が絡んだ破壊力はすさまじく、一時期は先手が大きく勝ち越した。だが現在では後手の対策も進み、互角の勝負と認識されている。
「4六銀・3七桂戦法となりました。後手は△7三角から△2四銀で1筋の端歩を受けた形から△9四歩の後、△9五歩と突き越すか△8五歩と伸ばすかが作戦の分かれ目です。4六銀・3七桂型は▲3八飛として、その後▲5五歩と突き捨てたりして角筋を止めて、▲3五歩△同歩▲2五桂△2四銀▲3五銀△同銀▲同角と3筋で銀交換になりますと先手成功です(一例は参考図)。このように銀交換になりますと、攻めの銀と守りの銀とが交換になり、先手が指しやすいです。棒銀戦法で銀交換になれば攻め方が成功というのと同じ理屈です。さらにこの戦法の場合▲2五桂で桂もさばけているのが大きいです。
矢倉戦では棒銀の可能性がある場合は端歩を受けるのは▲1五歩△同歩▲同銀の攻め筋があり疑問手となります。棒銀の可能性がないときは、玉側の端歩は受けても受けなくても大丈夫です。ゆえに 『矢倉囲いは端歩を受けるな』の格言を知っていれば大体の場合まずくなることはありません。
ただし本局のように後手が徹底防戦策をとる場合は、ていねいに端歩を受けて少しでも将来の攻め筋を少なくしておいた方が得です。△1四歩と端歩を受けた後、先手は▲3八飛でこの戦型の基本型になりました。先手は攻めに出る場合、あと▲1八香と上がっておく手が必要となります。▲1五歩と詰められますと、将来▲2五桂から▲1三桂成で端を攻められる可能性があります。
後手は前述の▲5五歩△同歩▲3五歩△同歩▲2五桂△2四銀▲3五銀の筋を消して、△2四銀と上がりました。この手は先受けする手筋です」(所司和晴七段)
(先手成功の図。この後は▲1三歩や▲1五香の端攻めが非常に厳しい。先手は飛車を見捨てても攻めきれる形を作り、計算された一手勝ちへ持っていくことが可能)
(文)
摺上亭大鳥ギャラリー (1) 窓からの風景
中村桃子女流1級
10時すぎ、控え室にBS放送の出演を終えた森内九段・中村女流1級・長野アナウンサーが訪れた。ほどなく、森内九段と長野アナウンサー(前夜祭でも一緒だった)は、別の仕事のために外へと出て行く。中村女流1級はしばらくの間、控え室で休憩していた。
(文)