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2008年10月18日 (土)

22dsc_0131  日本棋院の小林千寿五段がいらっしゃって、米長会長と歓談。小林さんは、国際交流基金の棋士派遣プロジェクトでパリに滞在中。今回の予定は、7ヶ月。将棋では、本間博六段が同様にフランスとイギリスに派遣されていた。

 パリ日本文化会館で、囲碁教室があったので、米長会長が教室を勉強がてら中川館長と昼を食べ、これからの将棋普及をお願いにあがった。

 というわけで、これからフランスにおける将棋の普及と発展が見込まれるだろう。

 写真左から、中川夫人、米長会長、小林千寿五段、中川正輝館長、佐藤康光棋王。

 フランスでも、将棋に熱心なファンが多い。アマチュア大会を竜王戦第1局と併せて同ホテル内で開催している。

 佐藤紳哉六段がこの大会の審判長であり、明日の大盤解説の解説も担当している。佐藤紳哉六段は、先ほど、驚いた様子でフランス人の将棋に対する熱意を語っていた。黙々と、将棋を指すことにみに専心し、緊迫したムードが会場全体に漂っているようだ。19dsc_0131 20dsc_0131

2  39手目に、渡辺竜王は37桂と跳ねる。この手は、検討陣の意表をつく一手。簡単に言ってしまえば、渡辺竜王は、ここで羽生名人の指し手が難しい為、様子を見ましょう、とのこと。単に▲88玉だと、△65桂といったような手が少し、気になる。

 一旦、▲37桂とし、そこで、羽生名人が△72玉ならば、△65桂のような仕掛けは、しにくくなる。そこで、▲88玉とする、といった意味がある。

 非常に細かい応酬であるが、こういった積み重ねによって、トップクラスの「将棋」は、成立しているのだ。

16日昼食 ルーブルの近く(下写真)
キッシュ
豚肉のソテー
りんごのタルト(温)
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16日夕食 モンパルナス(下写真)
飲み物 渡辺竜王はビール、羽生名人は白ワイン
前菜 冷菜の煮込み、オリーブオイルかけ ゆで卵付き
メイン フライパンで焼いた鮭、クルジェット(フランスのズッキーニ)添え
デザート パンナコッタ
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17日昼食 ベルサイユ
飲み物 渡辺竜王はアップルジュース、羽生名人はグレープジュース
前菜 ホタテのグラタン
メイン チキンのクリーム煮、ジャーマンポテト添え、プロヴァンス風トマトのオーブン焼き
デザート チョコレートエクレア
エスプレッソ

17日夕食 ホテル近くの日本料理店
飲み物 渡辺竜王はビール、羽生名人はウーロン茶
刺身の大漁舟盛り合わせ
お任せにぎり寿司、あさりの吸い物
生牡蠣、かさごのさつま揚げ

18日昼食
渡辺竜王は幕の内弁当。羽生名人はナポリタン。

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話がやや前後するが、17日にベルサイユ宮殿を朝から観光。この日は、羽生名人も合流し、これで役者が全て揃う。

 宮殿自体もさることながら、庭園にも、栄華を極めた贅沢さがここにある。その様式美は、当時とすれば、破格のものであろうし、今では到底考えられないものだ。

 中でも、宮殿内の鏡の間は、バロック様式の建築とその豪華さを感じることができる典型と言える。

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「ウェブ進化論」の著書で知られる梅田望夫氏が16日から合流。熱心な将棋ファンとして知られ、今回もシリコンバレーからパリに10時間かけて、いらっしゃった。そんな訳で、こちらのブログで現在、記事を掲載して頂いている。エッフェル塔をバックに、渡辺竜王と記念撮影。

08101817_3   渡辺竜王が、58金とあがったところ。この手自体は、一見何の変哲もないように見えるが、既に序盤から駆け引きが始まっているとも言える手。即ち、渡辺竜王が作戦の岐路を示す時期がくるのだが、その態度を保留し、羽生名人の顔色を伺おうということだ。

 渡辺竜王の選択候補として、27銀からの棒銀または、46歩から腰掛銀にするか、となる。それを羽生名人の指し手によって変えてゆこう、ことだろう。