2021年7月の記事

2021年7月 2日 (金)

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22時25分、佐藤九段は一分将棋になるまで考えた末に▲4三金(図)と打ち込み、決着をつけにいきました。どちらが勝つにしても、終局はそう遠くなさそうです。梶浦七段は残り4分。

Dsc_19651 (梶浦七段。ここをしのげるかどうか)

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図は20時30分過ぎの局面。佐藤天九段に攻めのターンがきています。△4二玉には▲5一銀が部分的には厳しい手ですが、そこから一気に寄せきるというわけにはいかないかもしれません。梶浦七段のほうは、手番を得ての△7六香が楽しみ。形勢はまだまだ難しそうです。

Dsc_20161 (佐藤天九段)

20210702k対局が再開されて、図は19時20分頃の局面。△5四金は、5五桂に狙われている金をかわしながら、逆にどこかで△5五金と桂を食いちぎる筋を作った手です。ただ、やはり自玉の守りが弱体化するので、リスクもあります。具体的には、▲2三とがうるさい攻め。間もなく終盤の寄せ合いに入りそうです。

Dsc_20891 (梶浦七段。リスクを恐れずに前に出た)

20210702j梶浦七段の△7七歩(図)に佐藤天九段が25分使ったところで18時になり、夕食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲佐藤3時間9分、△梶浦3時間15分。夕食の注文は、佐藤天九段が「うな重セット(肝吸)」(ふじもと)、梶浦七段が「鶏肉のグリーンカレー」(Le Carre)です。対局は18時40分に再開されます。

20210702i図は17時頃の局面。先手の佐藤天九段は持ち駒の桂を次々に自陣に投入するなど、徹底的に受ける方針です。ただ、先手の形はまとまっているとはいい難い格好なので、後手の梶浦七段としては、どこかを突破できれば、そのまま一気に押し込んでいける可能性もありそうです。

Dsc_19861 (佐藤天九段)

20210702h図は15時50分頃の局面。▲8五同銀と桂を取り、△同飛に▲7五歩で4二馬の利きを止めたところです。以下△8六歩には▲7六金で受かっているという読みでしょうか。先手はすでに1三に大きなと金を作り、駒得でもあるので、ここをしのぐことができれば形勢はよくなります。

Dsc_20811 (梶浦七段。何かよい攻めを見つけたい)

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図は14時30分頃の局面です。次に先手からは▲1三歩成△同香▲同香成△同玉▲1八飛△2二玉▲1九香という攻め筋があり、後手は忙しい状況です。1筋を無事に収めることは難しそうなので、攻め合いに道を求めることになるでしょうか。

Dsc_20111 (佐藤天九段。自玉の囲いを乱されながらも、的確に反撃している)

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13時35分、休憩を挟んで1時間3分の長考の末に、梶浦七段が△9八歩と踏み込んでいきました。代えて△8六同馬から▲8七歩△4二馬▲1三歩成といった進行は不満と見たのかもしれません。盤上はさらに激しくなりそうです。

Dsc_20051 (気合よく攻める梶浦七段)