2020年11月の記事

2020年11月 7日 (土)

15時、両対局者の控室におやつが運ばれました。注文は、豊島竜王が「包み餅」と「グレープフルーツ100%ジュース」、羽生九段が「タルトフロマージュ」と「紅茶」。豊島竜王のドリンクは対局室に用意されます。

Img_9168_o04 (豊島竜王の注文。「御室和菓子 いと達」が提供する)

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Img_9165_o2 (羽生九段の注文。午前のおやつのフルーツ盛合せと同様に「京都ホテルオークラ」が提供)

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【御室和菓子 いと達】
https://itotatsu.com/

20201107_396八地点の先手玉を5八へ。この手を見た畠山鎮八段は「現代調の手ですね」とひと言。

Img_9144_h1400 (控室の盤面モニターに集中する畠山鎮八段)

「後手は△6四銀~△5五歩~△4五歩と中央志向で攻め形を作りたいですね。ただ持ってみたいのは2歩得の先手です。こちらはしばらく受けの展開を目指すことになりそうです」(畠山鎮八段)

豊島竜王の攻め、羽生九段の受け、という構図が見えてきました。

Img_8918_z_habu02 (駒得を生かすには局面を収めるのが分かりやすい。羽生九段の受けに注目だ)

Img_9123_ha02 (13時27分、手番の羽生九段が先に戻ってきた)

Img_9127_ha03 (着座してひと息ついたあと、盤上に鋭い視線を飛ばした)

Img_9136_ha04 (観戦記を担当する高野秀行六段も入室。そして再開1分前には豊島竜王。着座とほぼ同時に対局再開の合図があった)

Img_9139_ha05 (和服を整えながら。この間に羽生九段の着手があった)

Img_9140_ha06 (豊島竜王は着手を確認したあと、考慮に入る前にいったん席を立つ。真後ろに設置されていた暖房機が気になる様子だった。まもなくして緊張感のある勝負の空間に戻っていった)

20201107_3212時30分、図の局面で羽生九段が26分考えて昼食休憩に入りました。消費時間は▲羽生2時間2分、△豊島1時間8分。昼食の注文は、豊島竜王が「御室御膳」、羽生九段が「桜御膳」。対局は13時30分に再開します。

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20201107_26現局面がどういう状況なのか、福崎九段にお尋ねしました。
「後手は7筋の歩を取らせる代わりに、先手の飛車が手数を掛けて戻るよう仕向けました。横歩取りに似た構想です。昔の将棋だと歩を取られるのを警戒して後手が選ばない変化でしたが、近年はこういった新感覚な将棋が出てきましたね。第1局を見ても分かるとおり、豊島竜王は奇襲にも似た指し回しを採用するぐらい、この竜王戦に懸ける思いは強いです。本局も、後手番ながら積極的に指そうという意思が伝わります」(福崎九段)

Img_9041_h1100 (和服からスーツに着替えた福崎九段と畠山鎮八段)

Img_8948_h1000b (着替える前、「烏帽子がついていたんですよ」と畠山鎮八段が披露していた)

Img_8960_h1000 (その姿を撮影していた清水女流七段、さらに福崎九段も加わって関係者の撮影に応じた。このときはまだ序盤で継ぎ盤も並べられていなかったが、いまは控室らしい雰囲気が出ている)

Img_8286_3 (仁和寺の入り口にあたる「二王門」)

対局場である「仁和寺」は、真言宗御室派の総本山の寺院です。「古都京都の文化財」の構成資産として、世界遺産に登録されています。光孝天皇の勅願で仁和2年(886年)に建てられ始め、子の宇多天皇によって仁和4年(888年)に落成。当初は「西山御願寺」と称されましたが、やがて元号を取って「仁和寺」となりました。広大な境内には国宝の「金堂」をはじめ、仁和寺御殿といわれる御所風建築物が建ち並びます。

【世界遺産 真言宗御室派総本山 仁和寺】
http://www.ninnaji.jp/

【仁和寺|Twitter】
https://twitter.com/Ninna_ji