2020年7月の記事

2020年7月 6日 (月)

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18時、この局面で高野五段が26分使って夕食休憩に入りました。消費時間は、▲梶浦3時間27分、△高野3時間22分。夕食注文は梶浦六段が「ビーフストロガノフ」(Le Carre)、高野五段が「うな重セット・肝吸」(ふじもと)。対局は18時40分から再開されます。

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16時30分頃、先手の梶浦六段が▲5五歩と仕掛けて(上図)、30分ほどで下図に進みました。局面がほぐれてきました。

56後手が受け身な選択をしたこともあり、先手が攻めて、後手が受ける展開で中盤戦に入りそうです。後手の高野五段は受けを嫌わない棋風。師匠、木村一基王位譲りともいわれます。

014_800 (梶浦六段が仕掛けて、戦いが始まった)

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(高野五段はひとまず受けに回る)

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△8三飛は15時直前の着手。1時間27分の長考でした。

局面はこう着状態。どちらも仕掛けに向かうよりも、手待ちに近い手を指しています。序盤からこってりしすぎて、中盤に入らない懸念も出てきました。先手が千日手でいいと判断すれば、▲2七飛と戻って、以下、△8一飛▲2九飛△8三飛……となれば千日手です。

まずは先手が仕掛けを狙うかどうかでしょう。一般的には先手が主導権を握りやすいため、先後入れ替えての指し直しは先手が避けたいとされています。6四角を追うか3七桂にヒモをつければ、前述の▲4五歩ができるほか、▲1八香~▲1九飛の雀刺しも有力そうです。

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相矢倉の持久戦になりました。どちらもすぐには手を出せなそうです。仕掛けを考えるなら、先手は▲1七香としてから▲4五歩、後手は△9二香~△9一飛~△9五歩でしょうか。どちらも軽いジャブで、敵陣を少しへこますくらいできれば十分な成果の攻めでしょう。矢倉持久戦らしく、中盤もこってりした戦いになりそうです。

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(朝の高野五段)

本局の観戦記は読売新聞に掲載されます。観戦記者は相崎修司さんです。

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(7月6日の読売新聞では、竜王戦決勝トーナメントの特集が組まれている)

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(全出場者のインタビューで、両対局者のコメントも載せられている。練習将棋をよく指しており、手の内は分かっているとのこと)

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12時、この局面で梶浦六段が11分使って昼食休憩に入りました。消費時間は、▲梶浦49分、△高野55分。昼食注文は梶浦六段が「チキンねぎ塩焼き弁当」(鳩やぐら)、高野五段はなし。対局は12時40分から再開されます。

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(記者が写真撮影に向かうと、ちょうど高野五段が席を立ったところだった)

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(昼食休憩中の盤面)

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◆高野 智史(たかの さとし)五段◆

1993年10月27日生まれ、埼玉県富士見市出身。木村一基王位門下。2015年、四段。2019年、五段。棋士番号は302。 棋戦優勝は1回。

竜王戦決勝トーナメントは今回、6組優勝して初出場。