2019年8月の記事
2019年8月 2日 (金)
堂々とした桂打ち
対局再開
昼食休憩に入る
前例がなくなる
工夫の銀引き
図は10時40分頃の局面。先手の豊島名人が▲4五桂と動いていった手に、後手の渡辺明三冠が2分の少考で△2二銀と引いたところです。前手▲4五桂までの局面はデータベース上に17局の前例があり、昨年5月の1号局、▲豊島将之八段-△澤田真吾六段戦(第59期王位戦挑戦者決定リーグ戦白組、肩書は対局当時)で△2二銀と指した後手が敗れてからあとは、▲4五桂への応手はすべての将棋で△4四銀が選ばれていました。渡辺明三冠が早速、工夫を披露した格好です。
なお、前例の▲豊島-△澤田六段戦は△2二銀以下▲3五歩△4四歩▲3四歩△4五歩▲同歩△6五歩▲同歩△7五歩と進んでいます。
角換わり相腰掛け銀の戦い
戦型は互いに飛車先を突き越しての角換わり相腰掛け銀になりました。図は10時30分頃の局面。後手は△7二金~△6二金、△4二玉~△5二玉~△4二玉と、右金と玉の動きであえて3手損する待機策を採っています。まだ前例は多く、渡辺明三冠と豊島名人ともに、先後どちらでも経験がある局面です。
今年6月の第90期棋聖戦五番勝負第2局、▲豊島将之棋聖-△渡辺明二冠戦(肩書は対局当時)も同じ将棋で、△5四銀以下は▲6七銀△5五銀▲3五歩と進みました。▲6七銀のほかには、▲4五桂もよく指されています。
対局開始
開始前の対局室
動画中継情報
本局の模様は、AbemaTVの将棋チャンネルでもライブ配信されます。あわせてお楽しみください。
<AbemaTV将棋チャンネル>
https://abema.tv/now-on-air/shogi
解説:佐藤天彦九段、近藤誠也六段、井出隼平四段
聞き手:伊藤沙恵女流三段、山口絵美菜女流1級


図は14時頃の局面。豊島名人が36分の考慮で▲5五銀と出た手に対し、渡辺明三冠が32分の考慮で得した桂を7四に据えたところです。△7四桂はどこかで▲7四歩と打たれる筋を消しながら△8六桂や△7六歩などと攻める味を作った攻防手ですが、先手から▲4四銀や▲4四歩とこられるのがかなりの迫力なだけに、思いきった一手といえます。激しい進行になりそうです。





図の△6三銀に豊島名人が25分考えて正午になり、昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲豊島1時間3分、△渡辺25分。昼食の注文は渡辺三冠が「うな重(松)、赤だし」(ふじもと)、豊島名人が「チキン山椒焼き弁当」(鳩やぐら)です。対局は12時40分に再開されます。




11時2分、△4四歩と桂を捕まえられた手に対し、豊島名人は先述の▲豊島-△澤田六段戦で自身が指した▲3四歩ではなく▲5三桂成(図)を選択。これで未知の局面に入りました。
















