図は10時40分頃の局面。先手の豊島名人が▲4五桂と動いていった手に、後手の渡辺明三冠が2分の少考で△2二銀と引いたところです。前手▲4五桂までの局面はデータベース上に17局の前例があり、昨年5月の1号局、▲豊島将之八段-△澤田真吾六段戦(第59期王位戦挑戦者決定リーグ戦白組、肩書は対局当時)で△2二銀と指した後手が敗れてからあとは、▲4五桂への応手はすべての将棋で△4四銀が選ばれていました。渡辺明三冠が早速、工夫を披露した格好です。
なお、前例の▲豊島-△澤田六段戦は△2二銀以下▲3五歩△4四歩▲3四歩△4五歩▲同歩△6五歩▲同歩△7五歩と進んでいます。