2016年11月の記事

2016年11月21日 (月)

15時を回り対局者におやつが運ばれました。注文は渡辺竜王がショコラケーキとホットコーヒー。丸山九段が同じくショコラケーキと飲み物はアイスティーです。このほか、両者にチョコクランチが添えられています。

Img_8032渡辺竜王はホットコーヒーと組み合わせた。

Img_8035丸山九段はアイスティーと。

ショコラケーキは指宿の菓子工房フィオーレが提供する「ミロワール・ショコラ」です。

対局場の指宿白水館は、4棟205室からなる大型ホテルで、鹿児島湾(錦江湾)を目前に臨む絶好のロケーションです。指宿温泉の名湯が自慢で、館内には江戸時代の風情漂う元禄風呂を始め、露天風呂や展望風呂、岩盤浴も用意されています。そして、有名な砂むし風呂も大変広々と用意されており、早朝から多くの宿泊客が利用しています。

Img_7932白水館を海側から望んで。

Img_7930夏季は鹿児島湾を目前に臨むプールが利用できる。

Img_7925

Img_7938

Img_7936ホテルの目の前は海岸の散歩道になっている。

Img_7942ホテル自慢の豊松庭。

13時45分頃、控室では立会人の田中寅九段が色紙に揮毫をしています。色紙は明日の大盤解説会で次の一手の賞品などに提供されます。

Img_8019海をバックに気合いを入れる田中寅九段。

Img_8023書き始めると、力強く一気に書き上げた。

Img_8025こちらは七番勝負の記念扇子。将棋会館売店で販売中です。

対局が行われている指宿市は薩摩半島の最南端に位置しています。鹿児島湾(錦江湾)の出口付近で、南には東シナ海を望みます。人口はおよそ19,000人で面積は148.84 km2。市の直下には霧島火山脈があり、数メートル掘れば温泉が湧くともいわれます。その特性を生かした砂むし温泉は、有数の観光名所であるとともに、医学的な効果も高く、世界的に注目されています。また、市の中央部に九州最大の湖の池田湖があり、火山活動で形成されたカルデラ湖は最深部で233mの深さがあります。

Img_7792白水館の上階から望む鹿児島湾。

Img_7984対局室には渡辺竜王が先に戻ってきた。

Img_7992席に着くと午前中の棋譜を確認した。

Img_79982分ほどして丸山九段が入室。

Img_8004再開が告げられると、すぐに△4四銀を着手した。

Img_8010△4四銀を見て、渡辺竜王が考え込む。

昼食の注文は両者ともに黒豚カツカレーでしたが、渡辺竜王はからさ控え目、丸山九段はライス大盛りで注文しています。

Img_7951渡辺竜王の注文した、からさ控え目の黒豚カツカレー。

Img_7948丸山九段はライス大盛りで注文。

2811時30分過ぎに丸山九段の指した△7二金を見て控室がざわめきました。意味としては「△6五歩▲同歩△同桂といったときの▲7三角を防いでいる意味でしょう」と飯塚七段。ただ、玉飛接近型なので「普通はあまり見られない形」とのこと。このあとは△3一玉と囲うよりも、早めに仕掛けて主導権を握りにいくと見られています。
ここまでの消費時間は▲渡辺53分、△丸山1時間25分。

Img_78511日目午前中、丸山九段が早い仕掛けを目指す積極的な駒組みを見せた。

本局のために用意された駒は3種類。いずれ劣らぬ名品揃いですので、使用駒以外の2種も紹介します。

Img_7383こちらは静山作・源平衛清安書。昭和33年の作品で未使用。盤作りの2大名人といわれた故・前沢長太郎氏の所有。これだけ古い名品が未使用で残されているのは非常に貴重だ。当時はいまよりも駒が小さめに作られており、今回は使用が見送られた。

Img_7384こちらは影水作・錦旗書。昭和30年代に大山康晴十五世名人がお世話になった方に贈呈したもので、やはり貴重な未使用品だという。

Img_7387駒箱も御蔵島産のクワの一品。非常に美しい仕上がりだ。