2014年11月の記事

2014年11月20日 (木)

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「後手は中飛車にしました。先手は居飛車か振り飛車か、分岐点を迎えています。居飛車にすると角道を止まっている分だけ少し損な駒組みになりそうなので、私は相振り飛車にすると予想します。角換わりが続いたので第4局は定跡から離れて力勝負にしようと。ただ、森内さんの将棋は居飛車がベースなので、飛車を振ると決断するには時間が必要なはず。ここは考えるでしょう」(飯塚七段)


Dsc_0161 (控室のモニターを見ながら解説する飯塚七段)

糸谷七段の午前のおやつはフルーツ盛り合わせと紅茶。森内竜王の注文はありませんでしたが、対局開始前から和菓子が両者に出されていたので、そちらを食べていました。

Dsc_0147 (フルーツ盛り合わせ。クラウンメロンは袋井特産)

Dsc_0103 (対局者の手元には和菓子)

袋井市は静岡県の西部に位置する都市。旧東海道の袋井宿。市南部は遠州灘に面しています。平成26年11月現在の人口は87,212人。全国の中でも日照時間が長い地域であり、年平均気温も17度程度と過ごしやすい地域です。市のキャラクター「フッピー」がTwitterで袋井市の情報をつぶやいています。

【袋井市HP】
http://www.city.fukuroi.shizuoka.jp

1_83手目は▲6六歩。森内竜王は角筋を止めて、糸谷七段の得意戦法である一手損角換わりを封じました。以下△5四歩▲7八銀△3三角▲4八銀△4二銀で図の局面。居飛車か振り飛車か、戦型はまだ確定していません。


「角筋を止めましたか。森内さんの作戦ですね。森内さんは第2局までは糸谷さんの将棋の尺度を計りかねていたように思います。しかし第3局でなにかをつかんだかもしれません。糸谷さんの4手目は早かったですね。▲6六歩は予想していたかな」(大内九段)

Dsc_0136_2 (控室にて大内九段)

Dsc_0104 (定刻の9時に対局開始)

Dsc_0080 (番勝負の偶数局は急所といわれる。森内竜王は正念場)

Dsc_0124 (初手▲7六歩)

Dsc_0127 (2手目△3四歩)

Dsc_0132 (初手と2手目は第2局と同じ。しかし次の一手は意表をついた)

Dsc_0020 (糸谷七段は8時44分に入室)

Dsc_0028 (まっすぐに前を見る)

Dsc_0038_3 (関係者は盤側で対局開始を見守る)

Dsc_0044 (大内九段)

Dsc_0047 (飯塚七段)

Dsc_0017 (梶浦三段。和服で記録をとるのは初めてとのこと)

Dsc_0060 (8時51分、森内竜王が入室)

Dsc_0092 (駒並べが始まった)

1日目の朝を迎えました。
現地は雨模様。午後に入れば天気は回復すると予報されています。
本日のスケジュールは以下のとおりです。

09:00 対局開始 ニコニコ生放送開始
10:00 午前のおやつ
12:30 昼食休憩
13:30 対局再開 現地大盤解説会受付
14:00 現地大盤解説会開始
15:00 午後のおやつ
17:00 NHK-BSプレミアム放送開始
18:00 封じ手時刻

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Dsc_0014 (本日の読売新聞朝刊。今期第2局の観戦記第9譜が掲載されている)

前夜祭のコース料理をご紹介します。

※本日のブログ更新は以上です。明日もよろしくお願いします。

Dsc_0691 (前菜)
柚子豆腐 栗渋皮煮 才巻海老の芝煮 蟹の紅葉和え
鮎甘露煮 銀杏串 野菜煎餅 月見玉子

Dsc_0727 (椀物)
合鴨 のっぺい汁

Dsc_0740 (造り)
鯛 鮪 平目 盛り合わせ

Dsc_0753 (蒸物)
金目鯛の薯蕷蒸し ※薯蕷は「しょよ」「じょうよ」。山芋、つくね芋などのこと。

Dsc_0808 (焼物)
黒毛和牛静岡育ち繊肉と原木椎茸の重ね焼き ※繊肉はヒレ肉

Dsc_0856 (食事)
桜海老の炊き込みご飯 二の汁 香の物

Dsc_0898 (甘味)
無花果のコンポート=掛川 珈琲
クラウンメロン=袋井 紅ほっぺ=掛川 治郎柿=森町

Dsc_0651 (中田卓也 ヤマハ株式会社代表取締役社長)

【乾杯のあいさつ 中田社長】
今回は竜王戦という大変名誉ある対局でお選びいただきまして、誠にありがとうございます。私どもヤマハグループは世界中の人々と新たな感動、豊かな文化をつくり続けることを企業の理念としていろいろな事業を展開しております。楽器が最も知られていると思いますが、音響機材やリゾート施設の運営もしております。お子様を音楽教室に通わせていらっしゃる方もいるのではないかと思います。

ここ葛城北の丸は葛の城、と書きます。古墳時代にお城があったそうで、葛の名産地であったことから、葛の城、葛城と命名したそうでございます。ここの建物は北陸地方の古民家を移築しまして、手を加えてご案内しております。北陸地方の豪雪に耐えるために柱も太く、梁も太いという力強い建築になっています。そうした和の心を伝えたいと思っておりますここ北の丸で、日本の伝統文化、その最高峰である竜王戦を対局いただけるということで大変うれしく思います。

竜王戦はご存知最高棋戦ですし、その独自のシステムが私はとても共感を持っております。アマチュアも参加ができる、女流棋士が参加できる、実力さえあれば竜王になれるということで、チャレンジする人たちを応援していると。今回糸谷七段は3組優勝から勝ち上がってこられた。歴史的には3組優勝、4組優勝の方々がその勢いをもって竜王に挑戦されて、あるときは跳ね返され、あるときは竜王の座に就くということを繰り返して27年やってこられている。伝統、格式がありながら新しい概念が存在しているということで、我々企業も見習うべきところがあるのではないかと感じております。こちらで併設しているゴルフ場では毎年ヤマハレディースオープンを開催していますが、そこではアマチュア選手も招いており、比べるのはおこがましいですが同じ思いを持って取り組んでおります。

あまり長くなってもいけません。私は個人的に将棋に非常に若い頃からファンでして、竜王は第1期の島さん(島朗九段)からずっと言うことができると思います。森内竜王、大内さんも青野さんもお顔を存じ上げておりますが、同じテーブルで緊張しております。この七番勝負、糸谷七段が勢いのまま行くのか、竜王が押し返すのか、必ずや熱戦になると思っております。

(文章書き起こし=文)

Dsc_0922 (中締めのあいさつ 安藤貞敏 株式会社ヤマハリゾート代表取締役社長)

両対局者が第4局に向けて抱負を語りました。

Dsc_0526 (森内竜王)

こんばんは。本日はこのような歓迎前夜祭を開いていただき誠にありがとうございます。こちらの袋井市のほうはですね、先ほどお話がありましたように、可睡斎で行われております合宿で何度か訪れておりまして、そこから近いので一度おうかがいしてみたいなと思っていたんですが、今回の対局で実現できて非常にうれしく思っております。先ほどチェックインしましたが非常に自然の豊かな場所で、そういった場所で対局できることを誇りに思っております。

シリーズは第4局で佳境に入ってきましたし、全国で大盤解説会もあることですし、そういった期待に応えられるような熱戦にできればいいなと思っております。今回はお世話になりますけども、最後までよろしくお願いいたします。

Dsc_0543 (糸谷七段)

こんばんは。本日はこのような歓迎の宴を催していただきましてありがとうございます。掛川の駅からこちらに参るまで、素晴らしい自然を堪能させていただきました。こちらも素晴らしいお庭ですね。竜王戦第4局、いよいよ山場です。素晴らしい景色に負けないような将棋を指してがんばっていきたいと思いますので、明日からよろしくお願いいたします。

(文章書き起こし=文)