大接戦 手数は160手 時刻は23時30分を回り手数は160手。△5六桂は△4四金までの詰めろになっている。「うん。名局ですね」とモニターを見る広瀬八段。 △5六桂から▲7二桂成△同角▲7三銀と進んだ。▲7三銀が▲6二銀打以下の詰めろで受けにも利いている。いよいよ激闘に終止符か。
藤森四段猛追 藤森四段が猛追。△4五銀と打った局面。▲同玉は△4七竜で危険だ。▲5五玉と泳がせて先手の勝ちは動かないようだ。時刻は23時15分を回り、手数は140手。決勝トーナメントにふさわしい熱戦になった。
難解な終盤も…… △4四金と手を戻した後手に対し先手は▲4六角と攻防に角を打つ。竜に当てつつ、7三~8二のラインに利いている。「△8八竜に▲5六桂が入れば先手が優勢だと思うのですが」と広瀬八段。 (辛抱を重ね優勢な局面を築いた中村六段)
いきなり切り込む △4九銀▲同玉△5七飛成と藤森四段は銀を捨てて竜を作る順を選んだ。広瀬八段はこの順を「実戦的な手ですね。藤森さんは△5四角か桂・香を拾っていくつもりなのでしょう」と話す。モニターに▲5九歩(図)が映し出されると「▲5八銀もあると思いましたが、当てないで歩もあるかと考えていました。ここで△5四角と打ってどうか。▲2六飛は△3五銀と出られてしまいます。▲1四飛は△2七角成▲同金に△4七竜で寄ってそうです。▲4五桂打△同桂▲同歩△同銀▲同桂△同角がどうかですが……」と言葉を続ける。果たして藤森四段の強襲は成立しているのか。また△5四角は出現するのだろうか。
緊急手段か △5五角に▲7七銀と上がった局面。桂の道へ銀を上がる手で、緊急手段を感じさせる。△6六角ならば▲同銀が5七の地点を手順に守っておりよいのだが、△7七同桂成と銀を取られた場合はどうするのだろう。▲7七銀までの消費時間は▲中村六段4時間40分、△藤森四段3時間40分。 (攻めには定評のある藤森四段。時間も1時間以上残している。本領発揮か)
高い山を登っていく 20時30分頃の館内映像から。本局の勝者は1組5位の深浦康市九段、その次は1組4位の郷田真隆九段、またその次は羽生善治名人との対局が待っている。その先に挑戦者決定三番勝負がある。最高峰までの道のりはまだ長く険しい。
中村六段、残り30分を切る 23分の考慮で中村六段は▲3六飛と1つ飛車を寄せた。3五の歩を守る手だ。▲3六飛までの消費時間は▲中村六段4時間37分、△藤森四段2時間55分。中村六段の残りは23分。形勢に自信を持っているのか、苦しいと感じているのか。 (残りは23分。中村六段は少ない残り時間でどう局面をまとめあげるのか)