2014年7月の記事

2014年7月 7日 (月)

Ryuou201407070101_117

▲糸谷-△三浦戦は22時20分、117手で糸谷六段の勝ちとなりました。消費時間は▲糸谷4時間35分、△三浦4時間59分。勝った糸谷六段は次戦で屋敷伸之九段(1組2位)と対戦します。

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22時10分頃、▲9三歩成で次に▲8二と見せられた後手は、決死の猛攻に打って出ました。図は切り札の△3八角成を決行したところ。中継室では、先手が余せると見られていますが、果たして三浦九段に起死回生の策はあるのでしょうか。

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図は21時40分頃の局面。
「後手のここ数手を見ると、△2九角、△9三桂、△2三銀と、一手一手のつながりが感じられないですよね。おそらく三浦九段は形勢が苦しいと見て、あの手この手を繰り出してチャンスをうかがっている雰囲気です。先手がリードしていると見て良さそうですね」(飯塚七段)

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20時55分頃、糸谷六段が端から仕掛けてついに開戦しました。△9五同歩には▲9二歩の筋があって、部分的には受からない形。そのためここから後手も攻め合いを目指すものと思われます。一気に局面が動き出しそうです。
残り時間は▲糸谷58分、△三浦24分。

「▲5六角~▲9五歩は確実な攻めですが、思い切った手でもあります。先手は▲9四歩から▲9三歩成として、さらにもう1手指さねば攻めになりません。その3手の間に絶対に後手が攻めるので受けに自信がないと指せません」(飯塚七段)

Img_3666外は夜のとばりがおりている。この時間に開戦というのはさすがに珍しい。

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図は20時頃の局面。消費時間は▲糸谷3時間41分、△三浦4時間1分。
手数は70手を超えていますが、局面は完全に序盤戦の様相です。本局の新聞解説を務める飯塚祐紀七段は「まだ序盤ですね。こういう将棋はいい手を指すより悪い手を指さないことが重要ですね」。さらにいま指された▲4五歩を見て「▲4五歩は大きいですね。後で▲4四歩と突く含みがあります。先手の方がやや模様がいいですかね」と語っています。
気が遠くなるほど長い序盤戦。鬼の根比べです。

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19時を回り対局が再開されました。
三浦九段は再開してすぐに△4五銀としています。これで後手の飛車は7四~2四へと歩越し飛車を解消するルートが開けています。先手の飛車はいまのところ帰るべき場所が見当たりません。従って、後手の飛車を簡単に安住の地に返すわけにはいかないところ。糸谷六段の構想が注目されます。

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18時10分、図の局面で三浦九段が21分使って夕食休憩に入りました。消費時間は▲糸谷3時間10分、△三浦3時間43分。夕食の注文は三浦九段が「みそ煮込みうどん」(みろく庵)、糸谷六段は注文ありません。対局は19時に再開します。

Img_3647夕食休憩中の対局室。三浦九段が残って考えていた。

Img_3660みろく庵のみそ煮込みうどん。

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図の▲3四飛は次に▲2四飛と歩の裏に回り込んで飛車成りを狙っています。しかし、△4五角▲2四飛△2三金で飛車が詰む形。糸谷六段は飛車を切って戦えると見て、▲3四飛を決断したようです。

Img_3557糸谷六段は飛車を詰まされる覚悟で決断の一手を放った。

本局の使用駒は「富月作・菱湖書」。

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富月師は、静岡県富士宮の駒師。タイトル戦などでも多くの駒が使用されています。近年では、昨年度の順位戦A級最終局、静岡市での一斉対局で錦旗書の駒が使用されていました。