12時10分、ここで中村六段が40分使って昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲中村1時間10分、△深浦36分。昼食の注文はともになし。
12時10分、ここで中村六段が40分使って昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲中村1時間10分、△深浦36分。昼食の注文はともになし。
図は▲1四歩と垂らした局面。△同香に▲1五香△同香▲同角と香交換するのが先手の狙いで、前期決勝トーナメントの▲羽生-△森内戦でもそう進んでいました。
しかし、このなにげないところで深浦九段が新手を放ちます。△1六歩です。
▲1六同香には△2七角と打つ意味でしょう。玉頭の垂れ歩を放置したままなので、かなり研究してきたことが予想されます。
「しかし、ここで△2七角に▲1三歩成とされると△同桂しかないですよね。普通は端に桂を跳ねさせられると、後手が嫌なんです。いやー△1六歩は考えませんよね。△同香から香交換して△2二玉まで勝手に手が動きますが」(高野六段)
端に桂を跳ねると、後手は3三の地点が薄くなるので▲3五歩△同歩▲3四歩のような手が気になります。どこかで△3六角成と催促する手も見えますが、▲4四角△同歩▲3三歩のような強襲をあびる可能性もあります。△1六歩はそれらを踏まえた、リスクを覚悟した受けと言ってもいいでしょう。
戦型は角換わりになりました。10時30分過ぎ、38手まで進みました。かなり早いペースで進行しています。
深浦九段は△7三歩型を採用しています。桂は活用しにくいものの、飛車先のコビンを突かないでスキを作らない作戦です。昨年の竜王戦決勝トーナメント▲羽生善治三冠-△森内俊之名人(現竜王。肩書は当時)でも指されています。
7月15日(火)は深浦康市九段(1組5位)-中村太地六段(4組優勝)戦をお送りいたします。
深浦九段は8回目の決勝トーナメントで、2009年(第22期)には挑戦者決定三番勝負まで進出しました。対する中村六段は2回目の決勝トーナメント。今期は藤森哲也四段に逆転勝ちを収めて本局を迎えています。
対戦成績は深浦0勝、中村2勝。第83期の棋聖戦挑戦者決定戦では、勝った中村六段がタイトル初挑戦を果たしました。深浦九段としては2年ぶりに借りを返したいところです。
本局の中継は棋譜コメント入力を銀杏、ブログを紋蛇が担当いたします。よろしくお願いいたします。