（今シリーズ初勝利を挙げた丸山九段）


（渡辺竜王はストレート防衛とはならなかった）

（共同インタビュー終了後、すぐに感想戦が始まった）

△６七角成で渡辺竜王の投了となりました。投了図から、（１）▲６七同玉は△６四飛▲６六歩△５七飛以下、（２）▲６七同竜も△同飛成▲同玉△５七飛▲６六玉△５五角▲７五玉△７四金まで、先手玉は詰んでいます。

終局時刻は2012年11月21日17時26分。消費時間は▲渡辺６時間59分、△丸山７時間28分。

丸山九段は今期七番勝負初勝利。待望の１勝を挙げ、対戦成績を１勝３敗としました。

図は17時過ぎの局面。王手が掛かっておりどう受けるかですが、ここで△４二金が先手を取る受けで、さらに先手玉は△６六桂▲７七玉△６八角▲８八玉△７九角成以下の詰めろになっており、後手勝勢と見られています。

（17時過ぎの控室。現在は検討が一旦止まっている ）

図の局面で渡辺竜王が30分ほど考えています。どうやらこの局面が本局の命運を分ける急所の局面になりそうで、控室では当然の長考という見方です。

ここからの有力手として▲２三馬が攻防手として見えますが、以下△５一玉▲４二飛成△同金▲５六馬△５八飛▲６八桂△５九銀不成（参考１図）で先手玉は受けなしで後手玉は詰まず、後手の勝ちとなります。

現在は▲４三桂が最有力と見られ、以下△同金右▲同飛成△６六桂▲同馬△４三金▲５六馬△５八飛▲６八桂（参考２図）で、今度△５九銀不成は▲２三馬があり、受けの利く形になっているようです。

後手も▲４三桂には△同金右ではなく△３三金が最善かと言われだした頃、渡辺竜王の手が伸び▲４三桂が指されました。

図は16時15分頃の局面。これまで我慢を重ねてきた渡辺竜王が反撃に出ています。現局面は丸山九段が△５六角と飛車取りに角を出たところ。この手は詰めろではありませんが、駒が入れば詰むような変化をにらんでいます。しかし渡辺竜王にうまい詰めろで迫る手があるようなら、形勢は先手に傾きそうです。

（丸山九段がおやつに注文していたたねや饅頭の16個入り。2日間でちょうどこれだけ食した）

（ホテルニューオウミの庭園。色付いた新緑に冬の訪れを感じさせられる）

図は１５時前の局面。丸山九段が△４五桂と跳ねて金を取ったところです。この手は当初控室では評判が悪く、「△４八銀不成、△４六銀成、△８六歩など代わる有力手はいくらでもあるところだっただけにこの選択は不可解」とされていました。しかし検討の結果、図から▲４五同飛△４八銀不成と進めた局面は先手に思わしい手がなく、後手有望という評価に変わりました。（８４手目コメントより一部抜粋）

△４五桂までの消費時間は▲渡辺５時間35分、△丸山６時間27分、ここで渡辺竜王は、50分近く考えています。

（吉田五段、香川女流１級、奨励会員達による検討が行われている）

（次の一手の正解者の名前を、目を凝らしてのぞきこむ藤井九段）

（来場者を癒す村田女流二段）

（竜王位在位は藤井九段が３期、谷川九段が４期の実績を残している）