2012年10月の記事
2012年10月15日 (月)
戸辺六段の見る1日目の進行
鈴木八段の見る1日目の進行と封じ手予想
18時前に、新聞解説の鈴木八段に1日目の進行を振り返っていただきました。
鈴木八段「1日目の進行を見て、印象に残ったのは▲7五同銀(75手目、第1図)と△3二金(82手目、第2図)です。▲7五同銀は前例から変化して研究手です。そこから先手が押し気味で攻勢だったのですが、△3二金に▲4四角はなかったか。▲8一竜からは優劣は別にして、渡辺竜王らしく食い付く展開になりそうです。個人的には先手を持ちたいが、陣形の薄さが目立って渡辺ペースにも見えます。
封じ手は△4四同角が本命。他に△6五桂や△7六歩も考えられます」
封じ手の様子 2
封じ手の様子 1
渡辺竜王が88手目を封じる
渡辺竜王が88手目を考慮中に、封じ手時刻の18時になりました。18時3分に渡辺竜王が封じ手の意思を示しました。1日目の消費時間は▲丸山4時間17分、△渡辺2時間57分。
1日目で盤上に87手も示されたのは極めて異例。昨年の第1局は71手で終局しましたが、それよりも多く指されたことになります。近年では第22期七番勝負第3局▲森内俊之九段(現名人)-△渡辺明竜王戦で、森内九段が83手目を封じた例があります。
■ニコニコ生放送■
三浦弘行八段>△同角とした後、次の一手が注目ですね。▲4一竜△4三銀と進めば後手の守りが厚くなっています。△4三銀の後、先手としては▲6六銀から▲5五桂を狙いにする感じでしょうか。
次の一手は△4四同角でしょう。形勢判断ですが私は後手持ちです。△同角に▲4一竜で後手が悪いと思えば△7六歩や△6五桂も考えられますが、そう進めば渡辺竜王は大変と見ているとも言えます。明日は午前中から勝負どころになると思います。









戸辺六段「△2三同金(78手目)は悪い形とされています。それで類似局では△2三同玉と応じることが多かったのです。渡辺竜王がそういう前例に挑戦された印象を受けます。△2三同金に▲1七角で先手の調子がいいかと思ったが、なかなか難しい。封じ手の局面は気分は先手持ちなのですが、考えているうちに後手も指せる変化が出てきます。封じ手予想は△4四同角や△6五桂が考えられます。△4四同角▲4一竜に△4三銀や△4二桂だけでなく、後で考えてみると、攻めに出てあえて角を取らせる変化もあるかもしれません。▲4四竜に△4三金で竜を捕獲する意味で、少し前までは発想にありませんでした」













図は86手目△3三角まで。渡辺竜王は自陣に角を放って先手玉へ、にらみを利かしました。▲4四桂や▲4四角を受けた意味もあります。攻防の角打ちです。








