2012年7月の記事
感想戦の光景(2)
感想戦の光景(1)
丸山が激戦制す
逆転はあるのか
後手、優勢か
難解な終盤戦が続いているが、段々と模様がハッキリしてきたようだ。
堀口七段「先手の攻めは細いですが、後手の攻めは手厚い。と金を寄っていくだけでも十分でしょう。後手は、自玉の心配をせずに攻められる状態になっている点が大きい。難しい局面が続いていましたが、ハッキリと後手が優勢になったのではないでしょうか」
A級棋士の間合い
難解で激しい攻防が続いている中、三浦八段の▲8八角(71手目)を見て堀口七段が「これは凄い。これがA級棋士の手か…」と驚きの声をあげた。
先手は、角の利きをいかして▲2五歩△3四金▲3五歩といった攻めを狙うと思われていたが、7七角型のままでは△7五銀や後手が香を入手した時の△7六香が中々に厳しい。
三浦八段は、これでは激しい戦いに持ちこみにくいと判断したのだろう。
激しい攻防の真っ最中においては、派手な狙いや手に目が行きがちだが、三浦八段は残り時間が少なくなってきている中でも冷静を保っていた。
無理に攻めを急がず、自陣の隙をなくす▲8八角。
A級棋士の間合い、勝負術には感服するばかりだ。
現在の争点
堀口七段は、「現在の争点は2八の角」だと語る。
局面を見ると、後手の2八角は非常に不安定な格好。
もちろん、先手は▲4八金~▲2九飛と取りに行くだろう。
(単に▲2九飛は、前述した通り△3八歩成▲同銀△4六角成で失敗)
堀口七段「後手の角が取られてしまうのか、それとも生きるか。取られるにしても、ただ取られてしまっては勝負になりません。△1五歩と暴れましたが、果たしてこれが有効かどうか」
「互角」の勝負が続いていたが、激しい攻防を経て、そろそろ模様がはっきりとしてきそうだ。
21時頃の局面
三浦八段に好手と思われる手が出た矢先、丸山九段が△2八角と勝負手を繰り出した。
先手が▲2九飛と避けながら角を取りに来れば、△3八歩成▲同銀△4六角成で4五の桂を取ってしまおうという狙いだ。
▲4九飛と逃げてくれるならば、先手の飛車が活躍しにくい形になって後手としては満足だろう。
深く考える程、この△2八角は対処が難しいようだ。
この一手が、後手の反撃の狼煙となるのだろうか。