2012年7月4日の記事

2012年7月 4日 (水)

20120704135


図の局面で大石四段が投了を告げました。投了以下先手玉に詰みはなく、後手玉に受けはありません。

終了時刻は22時50分。消費時間は▲稲葉4時間56分、△大石4時間59分。

勝利した稲葉六段は次戦で三浦弘行八段(1組5位)と対戦します。

(潤)

111_3
図は22時15分頃の局面。現局面は攻守が逆転し、棋士室では先手が優勢になったとみられています。豊島七段の解説では、106手目の△5四金がどうだったかとのことで、代えて△4七金が推奨されていました。

Photo_41
(22時10分頃、105手目▲5八同銀の変化を検討する棋士室。継ぎ盤から遠目の位置にいる豊島七段が、司令塔となり難解な順を示している)

(潤)

97
図は稲葉六段が4四に居た金で王手を掛けた局面。先手玉には△5八馬▲同銀△5六金までの詰めろが掛かっており、△5三同金には▲3二飛△5二金▲4四角△7二玉▲5五角のような筋で粘る順を見せました。大石四段は現局面から△7一玉と逃げましたが、▲6二金の妙手が出て棋士室は大いに盛り上がりを見せています。

99

この▲6二金は、△6二同金には▲5一飛で、また△6二同玉には▲4四角で、いずれも5五の金を王手で抜いてしまおうという狙いで、豊島七段は、「これはちょっと難しくなってきたように思います」と見解を述べてくれました。

(潤)

94
図は21時20分頃、△4六桂と持ち駒の桂を打った局面。▲同銀とただで取られますが、そこで△4八金が厳しい継続手で先手玉は寄り形となります。またここで▲5三金△同金▲4二飛△5二銀▲4六飛成と金を犠牲に王手で桂を抜く手も検討されましたが、以下△7六金(参考図)が厳しく、▲同銀は△同桂で先手玉は寄り筋、また▲5七玉と逃げるのも△7七金で、▲同銀には△4八銀以下詰みがあります。棋士室では、「華麗な捨て桂ですね」という声が上がりました。

100_3
(潤)

93
図は21時頃の局面。大石四段は敵陣に竜と馬を作り、寄せの態勢に入りました。対する稲葉六段は▲5六歩と突き、玉の脱出路を作りながら△5五桂の一手詰みを防ぎました。現局面での残り時間は、▲稲葉42分、△大石41分。

Photo_40
(20時30分頃の窓外)

(潤)

77
図は20時30分頃の局面。この▲4七銀は5六から引かれたもので、△4六馬と△3八馬を受けた一手。棋士室ではここから△4六飛▲同銀△3八馬の一気の寄せが検討されている。△3八馬以下、(1)▲5九飛は△4七馬▲4八歩△6九金▲7八玉△5九金▲4七歩△6七桂成▲同玉△6九飛(参考図)。

90
ここまで進めて、先手側に座る安用寺六段は「投了!」。
次に検討された(2)▲7九飛の変化も、△4七馬▲5八銀△4六馬(参考2図)で、

84
安用寺六段「負けそうですか?」
豊島七段「はい、負けそうです」(一同笑い)
安用寺六段「連戦連敗やなぁ」

(77手目コメントより一部抜粋)

Photo_38
(安用寺六段らの検討を見つめる豊島将之七段と香川愛生女流1級。豊島七段は6日(金)に、ベスト8進出を懸け藤井猛九段と対戦する。)

(潤)

73
図は20時20分頃、稲葉六段が▲3八歩と受けた局面。棋士室では代えて▲4五歩の攻め合いが検討されていたが、稲葉六段の選択は耐え忍ぶ▲3八歩でした。

Photo_37
(棋士室で奨励会員を相手に本局を検討する安用寺孝功六段(左))

(潤)