2011年8月の記事

2011年8月16日 (火)

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時刻は22時40分を回った。
丸山が△6四桂と攻め合いを目指したが、久保は構わず▲4三成桂。
次に△7六桂と銀を取られると先手玉も危険になるが、久保は強く踏み込んでいった。


(若葉)

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本局もいよいよ佳境を迎えている。
棋士室の検討もヒートアップしてきた。

淡路九段に入れ替わるような形で棋士室には神崎健二七段が姿を見せた。
継盤は2面になり、激しい変化が継盤を飛び交っている。


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(神崎七段)


(若葉)

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時刻は22時を回った。
久保は▲7二歩△同角を利かして▲2五歩と桂馬を取り、▲5六桂(図)と両取りをかけた。
数手前までは先手に指す手がない、と言われていたが、ここにきて先手持ちの声が聞かれるようになってきた。
控室では、△7三桂(攻め)~△7二同角(受け)~△8五桂(攻め)という一連の手の流れがちぐはぐしているのではと言われている(棋譜コメントより)。

丸山の着手に慌てるような素振りが目立つようになってきた。
丸山の残り時間は10分を切っているようだ。


(若葉)

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時刻は21時40分。
図の▲2三歩成は控室でも検討されていた手だ。
▲2三歩成△同金▲2五桂△同桂▲2六歩(変化図)が狙いで、これは先手も戦える順のようだ。
棋士室でもこの順が発見されて、トーンが上がっているという。
81手目に▲4八金と寄った手が3七の地点をカバーしてよく利いている。

畠山七段「さっきまで見えなかった、先手の『方針』が見えてきた気がします」
(棋譜コメントより)

「何を動かしていいかわからん……」とつぶやく控室の奨励会員。
その奨励会員は先手側の駒を動かしている。


(若葉)

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時刻は21時20分を回った。
丸山は△4三玉~△3四玉とし、上部に厚みを築いて先手陣を圧迫していく。
全軍で押し寄せる後手陣の波。


33_畠山七段
「△3四玉から、△1五歩▲同歩△1六歩となれば後手がいいですね。どう見ても淡路先生は後手を持ちたいやろうなぁ。
久保さんのほうが圧迫感があることは間違いないでしょうね。どこか1点を破れるかどうか。
私は棋風が違うのですが、丸山さんのほうを持って指したいという棋士が多いと思います。私は勝っても負けても向こう(先手)を持っていることが多いです」
(棋譜コメントより)

久保の残り時間は30分を切った。


(若葉)

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3階の棋士室でも本局の検討が行われている。
継盤を囲むのは対局を終えた淡路仁茂九段、牧野光則四段や奨励会員たちだ。
久保二冠側(先手)を1人の奨励会員が、丸山九段側(後手)を奨励会員と淡路九段、牧野四段が持っている。

「淡路先生は昔から久保さん側に座りませんね。久保さん側を悲観的に見ることで、勝ったときの喜びが倍増しているのではないかと(棋譜コメントより)」と語るのは控室の畠山七段。
しかし、変化を進めていくと先手良しになってしまうことがあり、「淡路先生、実は久保先生の応援をしてるんとちゃいますか」と突っ込まれて一同が盛り上がる場面も。
ご存知のように、淡路九段は久保の師匠である。


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(自身の対局を終えた後に弟子の対局を見届ける淡路九段)


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(夜から棋士室を訪れた牧野四段)


(若葉)

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時刻は21時を回った。
中盤戦に入り渋い指し手の応酬となったが、徐々に先手に思わしい手段がなくなってきているようだ。
3階の棋士室、4階の控室ともに「後手良し」の声が聞かれるようになってきた。


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(夜のなにわ筋)


(若葉)


30_55時刻は20時を回っている。
角を追われ自陣へと退却させた久保だが、▲4七角(図)とさらに一歩引いた。
受け身のように見えるが、遠く9筋をにらんでいる。

30_控室では当初△7一飛が検討されていたが、以下▲9五歩△7二角▲9四歩△同歩▲6七銀(A図)と進むと次の▲9二歩(香取り)が受けづらい。飛車を引いた手がマイナスになっている。


そこで丸山は△4五歩としたが、検討では▲9五歩△8三角▲6七銀(B図)と角交換を挑まれたときの後手の対応が悩ましいようだ。
だが、まだどちらの形勢が良いかという声は聞こえてこない。


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(若葉)

19時を回り、中継班は棋士室から4階に設けられた取材本部に移動。
こちらでは新聞解説の畠山鎮七段の他に、豊島将之六段や奨励会員が検討している。
(棋譜コメントより)


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(畠山七段。本局の新聞解説を務めている)


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(豊島六段)


(若葉)

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図は19時40分頃の局面。
攻める久保、守る丸山、というお互いの持ち味が発揮された戦いになっている。
盤上に角を放った両者。この角が働くかどうかが勝負の分かれ道だ。


(若葉)