2010年8月の記事

2010年8月30日 (月)

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時刻は20時45分。上図の局面で久保が考えている。

先程まで3階棋士室で検討していた阿部八段と淡路九段が4階の控え室に移動したため、現在棋士室で検討を行っているのは村田智六段、菅井四段、牧野四段らと奨励会員達。現在棋士室で検討されているのは、上図から△9六飛と打つ変化。これは菅井四段指摘の手で、以下▲6六歩△9八飛成▲7八銀(下・参考図)となると、

村田智・菅井「難しい。」

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(若葉)

局面はいよいよ佳境。棋士室の検討にも熱が入る。

現在検討をリードしているのは、読売新聞観戦記解説の阿部隆八段と、先ほどから棋士室を訪れている淡路仁茂九段。その周りを村田智弘六段、稲葉陽四段、村田顕弘四段、菅井竜也四段、牧野光則四段らが取り囲み、意見を交わしている。

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(棋士室の様子)

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(淡路九段)

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(阿部八段)

(若葉)

関西将棋会館2階の道場では、18時から本局の大盤解説会が開催されている。会場は開始と同時に早くもほぼ満席となり、ファンの本局への注目度の高さが伺われた。

解説は福崎文吾九段。軽妙なトークで、初手からの手順をわかりやすく解説。会場からは「なるほど」と感心する声や笑い声が絶えなかった。

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(軽妙なトークでお馴染みの福崎九段)

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(満員の会場)

(若葉)

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夕食休憩が終わり、対局が再開された。再開後に指された羽生の着手は▲8六金(左図)。まさに棋士室の検討陣が休憩前に調べていた手だ。

先ほど検討されていた変化は、上図から△4九角成▲9五金△5八馬▲同金△6五歩▲8四金△同歩▲6五銀△7五飛▲7七桂△6五銀▲同角△7六歩▲6四角△7三桂▲7四歩△7七歩成▲6九玉△4八銀(再掲・参考図)。「こうはならないだろう」と言われている最も激しい変化だ。

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棋士室のその後の検討では、後手玉に詰みは見つからなかった。一例として、▲7三歩成△同金▲8三飛△7一玉▲7三飛成△同飛▲8二銀△同玉▲7四桂△7二玉。どう指しても詰みそうな局面だが、ギリギリ残しているのではという見解だ。

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52手目△2七角の局面で羽生が考慮中に夕食休憩となった。ここまでの消費時間は羽生3時間15分、久保3時間8分。

現在、棋士室の検討陣の間で調べられているホットな局面がある。それが下の参考図。ここで後手玉に詰みがあるかどうか調べられている。もし詰みがあれば、先手勝ち。なければ後手勝ちの局面。

もはや現局面からどのように進んだのか想像もつかない形になっているが、これは現局面から▲8六金と指した時の最も激しい変化。プロ棋士達が考えている変化の一端を、夕食休憩中にみなさんも是非考えていただきたい。

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(若葉)

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上図は18時の局面。ここで羽生が考えている。

棋士室検討陣の見解は、居飛車が指しやすいとのこと。ここで▲8八玉とするのが棋士室の候補手で、△4九角成には▲7八飛と逃げて、攻めに使ってしまおうという意味だ。以下△6五歩には▲同角△同銀▲同銀と銀を残して厚く指す(参考図)。こうなると3三銀と4二金が取り残された格好だ。

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(若葉)

今日の18時からの大盤解説会を担当する福崎文吾九段が棋士室を訪れた。外が暑かったのか扇子で風を送りながら、本局を検討している近くの奨励会員を掴まえて、

福崎「(今日は)奨励会?」

棋士室の人の多さに奨励会の例会日かと勘違いしたようだ。本局の検討をしていることがわかると、

福崎「どんな熱気やねん」

と本局の注目度の高さに驚いていた。

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(棋士室での検討を見つめる福崎九段)

(若葉)

日本将棋連盟常務理事の淡路仁茂九段が棋士室を訪れた。翔記者が棋譜コメントでも紹介しているが、淡路九段は久保二冠の師匠にあたる。弟子の対局は当然、気になるところだろう。

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(厳しい表情で棋士室のモニターを見つめる淡路九段)

(若葉)

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(稲葉四段。現在は盤面の居飛車側=羽生側を持って検討している。)

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(菅井四段。振り飛車得意の菅井が担当するのは振り飛車側=久保側)

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(室谷由紀女流1級)

(若葉)

夕方になって人が増えてきた。

検討は平藤六段がまず意見を出し、それに周りの棋士や奨励会員が意見を交換する形で行われている。

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(棋士室の様子。段々座る椅子がなくなってきた。)

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(検討をリードする平藤六段)

(若葉)