2009年11月11日 (水)

自宅解説・大野八一雄七段の感想

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本局は渡辺竜王が反撃に出るまでずっと森内九段が良いのではと思ってみていました。
全体としての内容も濃く全くといっていいほど指し手が当たらず、異次元の世界を見ているようでした。
指し手の中で自分では「とても指せそうもないなあ」と感心させられた手が88手目の△5五馬(図)と引いた手です。この手は詰ましている飛車をどうぞお逃げくださいと言っている手で、しかもその前の手が△3九歩成ですからなおさらです。
この手では△2二銀ぐらいしか浮かばず、以下▲2四銀成△2九と▲2三歩△同銀▲同成銀△3一玉(参考図)でその後は先手が攻め切るか、間を見ての後手の反撃がどうなるかと思っていました。
改めて渡辺竜王の懐の広さ、鋭さを見せつけられた思いです。

(大野八一雄七段)

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