2008年12月の記事

2008年12月 4日 (木)

081204_48 久保八段に48手目の局面を解説していただきました。
「過去の例では(1)▲5七角と(2)▲6六銀が指されており、本局もこのどちらかだと思います。
 (1)▲5七角には△6四歩か△8四角。△8四角▲同角△同飛とお互い角を手持ちにすると、千日手になりやすく、渡辺竜王も過去に先手を持って千日手を経験しています(2003年の王位戦・森内現九段戦)。
 (2)▲6六銀は、渡辺竜王の棋風的には指さないような気がします。▲6六銀には△4五歩が多いですね。以下▲同桂△同桂▲同銀△5三桂で銀損になるんですが、この場合は桂馬を5三に使わせているので、それほど損ではないですね」

081204_48_2 「▲3四銀△同金▲5五歩(参考図)で角道を止めてから▲3五歩と突いて、何か取り返せそうな形です。
 (1)▲5七角に△4五歩は、▲6六角と覗く筋がある(2二玉をにらんでいる)ので指しづらいです」

081204_48_2_2 「(2)▲6六銀に△2一玉(参考2図)と引いたのが最新の実戦例で、後手は宮田敦史五段でした。先手がゆっくりしていると△3一銀と引いて堅いですね。▲5五歩や▲7五歩として動いていきたいです」

081204_46_4 「46手目の△3三桂は、戻れない駒なので跳ねづらいですが、こちら(右辺)を受け止めてしまえば、ということですね。▲2五歩を△同桂と取れるようにもなっています。桂馬を跳ねると進展性がなくなるということもありますけれども、参考2図の△2一玉は進展性を求めた手と言えるかもしれません。
 封じ手まではあと2~3手進むのではないでしょうか」

(翔@白浜)

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(渡辺竜王がケーキをリクエストしたところ、ブルーベリーのケーキが用意された。他にホットコーヒーも)

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(羽生名人のおやつはチーズケーキとホットコーヒー。こちらはチーズケーキを指定)

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(モニターより。15時に出されると、ふたりともすぐに食べ始めた)

現地では14時から大盤解説会が行われています。入場無料です。

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(まだ駒がぶつかっていないが、20人以上のファンが訪れている)

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(両立会人による大盤解説)

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(ファンの質問に耳を傾ける久保利明八段)

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(わかりやすい例えを使って解説する福崎文吾九段)

(翔@白浜)

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(渡辺竜王の席には懐中時計が置かれていた)

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(間もなく対局再開)

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(再開直前に渡辺竜王が入室)

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(何が見えたのか)

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(13時半を回ってから、羽生名人が入室)

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(両対局者がそろった)

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(羽生名人の指した42手目は△8五歩)

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(△8五歩のあと、渡辺竜王はお茶を口にした)

(翔@白浜)

081204_43 福崎九段に解説していただきました。
「先手は矢倉が完成して、ここから攻めていくことになります。『攻めは飛角銀桂』と言いますから。
 ここからは読みの世界。駒がぶつかると変化が多いので考えることになりますね。
 ここで羽生さんがおそらく守りの手を指して、渡辺さんが攻めの手を指すことになるでしょう。攻めの手というのはすなわち歩を突くことです。例えば▲3五歩△同歩▲2五桂。飛角桂が3五に虫眼鏡のように集中しています。
 でも後手も全軍で守っているので大変です。駒を渡すと反撃を受けますから。攻めたら駒得するとか駒が成れるとかプラス面を見出さないと、ただやみくもに攻めてもいけません」

081204_44「あ、△4二銀と引きましたねー。これで渡辺さんが▲3五歩といくかどうか。今やるのか、それとももっといいことが起こる…自分のほうが堅くなる、相手の陣形が崩れるとかなら、待ったほうがいいですね。単純そうに見えて、駆け引きがあるんですよ。人間同士がやっていますから。じゃんけんでも単純だけど、結構考えるでしょ?
 待つなら▲9六歩か▲9八香。▲9六歩は懐が広くなりますが、後手からの端攻めも生じるので、▲9八香でしょうか。
 完成した家にいくら色を塗っても変わらないのと同じで、局面もこれ以上よくはならない飽和状態があります。飽和状態になったら▲3五歩ですね」

(翔@白浜)