図は42手目の局面です。本譜は▲同金△4九飛と進み、以下後手の羽生名人が勝利を収めました。
感想戦では▲5三歩成△4九と▲2六角△5九と▲7七銀△6九銀▲5二歩△4一玉(A図)の順が検討されていました。
ここから▲5九角とと金を取り、△7八銀成▲同玉△5八飛▲6八銀△5三飛成(B図)で大変というのが、感想戦のときの見解。
以下▲3四歩△4五桂▲3三銀△3一歩▲1五角が進行の一例です。しかし…
A図から▲2一銀があったようです。この▲2一銀は感想戦終了後に行方八段が発見した手。▲3二銀成△同玉▲4一角以下の詰めろになっています。
後手は△3一金打として銀の入手を図りますが、金を取って再度の▲2一銀(D図)。金が無くなったので後手玉は受けなし。したがって先手玉が詰むかどうかの勝負になります。
D図から△7八銀成▲同玉△6九銀▲7七玉△7八飛▲6六玉△6五金▲5七玉△5八飛成▲4六玉(E図)で先手玉は詰まず。
「感想戦では▲5九角でしたけど、▲2一銀なら渡辺さんに分があると思うんですよ。羽生さんに直接聞こうと思ったんですがチャンスが無くて」
この変化が先手有望であるならば、渡辺新手の▲7九玉に対する評価も変わってくるかもしれません。
(烏@平泉)