2008年11月の記事

2008年11月26日 (水)

羽生名人は15手目、数ある選択肢の中から▲9六歩と、今期挑戦した王位戦第3局と同じ形をとりました。
NHKの衛星放送の解説者である深浦康市王位を意識したのでしょうか。
王位戦第3局は後手の深浦王位がここから△8六歩と飛車先を交換しました。
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第1局と第3局が一手損角換わり、第2局が矢倉でしたが、第4局は意表の相掛かりになりました。
羽生名人は渡辺竜王に矢倉をさせない作戦をとりました。両者の対戦で相掛かりは初です。
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(流星@熊本)

2008年11月25日 (火)

盤駒検分は17時に、対局場の「武王の間」で行われ、駒は江陽作の菱湖書に決まりました。立会人の桐山清澄九段らと検分をする両対局者です。前夜祭は18時半から行われます。
Kenbun

2008年11月15日 (土)

081113h53_2 対局翌日、一行を乗せたバスの中で、森下九段が羽生名人に行方八段の指摘(C図)を伝えました。
羽生名人は「ん、ん?うーん」と言ったきり目を閉じ黙考。十数分後にカッと目を開き「ええとですね、△2二金打▲3二銀成△同玉(F図)はどうでしょうか?」


081113h56

この局面は先手玉、後手玉ともに詰みがありません。したがって先手がうまく詰めろを続けることができるかどうかです。

羽生名人と森下九段が話していた変化の一例は、F図から▲4一銀△2一玉▲4三と△3一歩▲4二角△1二玉▲3三と△同金▲3一角成(G図)


081113h65

G図は先手玉は詰まず、後手玉は▲2二金までの詰めろ。△2一銀と受けても▲同馬△同玉▲2二歩△同玉▲3四桂以下詰みがあります。

「そうか、これは負け…ですね。負けです。」(羽生名人)

「ええ、これは先手勝ち筋ですね。そうなると後手は△8六歩▲同銀を入れたほうがいいか、微妙なところかもしれませんね」(森下九段)

(烏@東京)

081113h42 図は42手目の局面です。本譜は▲同金△4九飛と進み、以下後手の羽生名人が勝利を収めました。
感想戦では▲5三歩成△4九と▲2六角△5九と▲7七銀△6九銀▲5二歩△4一玉(A図)の順が検討されていました。


081113h52

ここから▲5九角とと金を取り、△7八銀成▲同玉△5八飛▲6八銀△5三飛成(B図)で大変というのが、感想戦のときの見解。


081113h58

以下▲3四歩△4五桂▲3三銀△3一歩▲1五角が進行の一例です。しかし…


081113h53

A図から▲2一銀があったようです。この▲2一銀は感想戦終了後に行方八段が発見した手。▲3二銀成△同玉▲4一角以下の詰めろになっています。


081113h57

後手は△3一金打として銀の入手を図りますが、金を取って再度の▲2一銀(D図)。金が無くなったので後手玉は受けなし。したがって先手玉が詰むかどうかの勝負になります。


081113h67

D図から△7八銀成▲同玉△6九銀▲7七玉△7八飛▲6六玉△6五金▲5七玉△5八飛成▲4六玉(E図)で先手玉は詰まず。

「感想戦では▲5九角でしたけど、▲2一銀なら渡辺さんに分があると思うんですよ。羽生さんに直接聞こうと思ったんですがチャンスが無くて」

この変化が先手有望であるならば、渡辺新手の▲7九玉に対する評価も変わってくるかもしれません。

(烏@平泉)

2008年11月14日 (金)

020 竜王戦第3局を観戦いただき、ありがとうございました。感想戦の内容は棋譜plusに掲載しました。

第4局は11月26、27日に熊本県菊池市 「菊池観光ホテル」で行われます。
立会は桐山清澄九段。解説は山崎隆之七段です。