2008年10月19日 (日)

米長会長曰く。

2_2  64手目の△6四角は良い手、という評価になっている。米長会長の詳しい解説をお聞きいただきたい。「候補手は3つです。」

(1)▲4五桂打は、△同歩▲同桂で△4一桂▲5三桂成△3三桂▲6二成桂△同玉となって先手の攻めが少し細い。
(2)▲4五銀は(A)△同歩なら▲同桂となって前者に比較して桂を手に持っている分、攻め駒が多いので、難しいが(B)△3七馬と桂を取る。
 以下▲5三金△同金▲4四銀△同金▲同竜△5三銀となって、現局面の一手前に、△4六馬とするよりも、角を一手守りに打っている分だけ後手が儲かった計算になる。これが羽生マジックです。

そこで先手は
(3)▲7五歩と今度は絡めていく手を考えることになる。
想定手順としては△4六馬▲7四歩△同銀▲6六桂で、銀がどこに逃げても▲7四歩と打って、玉頭に迫る拠点を作る。
さらに、単に(4)▲4五桂と跳ねる手もある。△同歩に▲4四歩とじっと垂らしておく。

現在の局面で、渡辺竜王には大きく分けて二通りの方針がある。
「(1)、(2)、(4)のように4六銀と3七桂の2枚を自分から動くことによって活用するか、
もしくは(3)▲7五歩と取らせる間に攻め切るか。ここがヤマ場ですね。」

先手優勢だったはずだが、先手が焦らされている。