2007年11月の記事
立会人の変更
本局の立会人は森下卓九段と藤井猛九段でしたが、森下九段の師匠である花村元司九段の奥さんが亡くなられたため、急遽、森下九段から豊川孝弘六段に変更となりました。
(銀杏)
前日写真
対局前日
両対局者と関係者は午前の便で羽田を出発、長崎空港に降り立ちました。そこからバスで40分ほどかけて佐賀県嬉野市に移動しました。対局場の「和多屋別荘」には14時30分ころに到着しました。
関係者一同は昼食をとって一息入れているところです。対局場検分は17時からの予定です。
本局の中継は銀杏と桜木が担当いたします。よろしくお願いいたします。
(桜木)
第20期竜王戦第4局
第3局の北海道から一転、所を九州は佐賀県に移っての第4局。11月21日、22日の両日に行われます。
こちらのサイトでは、七番勝負の模様を画像と文章でレポートします。第20期竜王戦中継サイト の中では、説明しきれない詳細情報や周辺的な捕捉情報を掲載しております。ぜひご覧下さい。
感想戦のポイント
渡辺竜王は出だしは苦しいと感じていたようです。72手目△4六角(図)と出たとき、佐藤二冠としては▲4七金と上がって△6四角▲8九飛の進行が勝っていたようです。本譜は▲4七銀引とダイヤモンド美濃に組みましたが△6四角▲7六飛に△2八角成が強烈な勝負手でした。△6四角で1回飛車を寄らせて△8四飛の走りを作ったのが好手順でした。
図は96手目は△8五龍と引いた局面。ここで佐藤二冠は▲2六歩と受けた手を悔やんでいました。図では▲7四飛と走って飛車を使っておくべきだったようです。もしくは▲3九玉と引いて△7六香に▲7七歩の一歩を残すか、でした。本譜は▲2六歩△7六香▲同飛△同龍と進み、渡辺竜王は「飛車を取ってよくなったと思った」という感想を残しています。▲7六同飛ではまだ▲5九飛と辛抱するべきだったようです。
最後は差がついたように見えましたが、125手目▲4九歩(図)が佐藤二冠の勝負手でした。△4九同桂成なら▲1三香成△同玉▲3三角!で一波乱あったかもしれません。時間いっぱい使った渡辺竜王の△1四歩が気づきにくい最後の決め手でした。前述の順を消しつつ、▲1四同香なら△2九金▲3七玉△1九角▲2七玉△2八角成▲1六玉△1五歩(この歩を打てるのが△1四歩の効果)▲同玉△2四金▲1六玉△1四金で後手の勝ちとなります。△4九歩を打たずに▲1三香成は△同玉▲3三角に△2九桂成があって成立しません。
秒読みの中▲4九歩に望みを懸けた佐藤二冠ですが、△1四歩の返し技があって功を奏しませんでした。
(桜木)
終局写真 3
終局写真 2
終局写真 1
渡辺竜王2勝目
竜王戦第3局は19時15分、134手で渡辺竜王の勝ちとなりました。残り時間は双方1分。7番勝負は渡辺竜王の2勝1敗となりました。第4局は11月21・22日(水・木)に 佐賀県嬉野市「和多屋別荘」で行われます。
(桜木)