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2022年4月25日 (月)

観戦記は産経新聞で

本局の観戦記は勝又清和七段が担当します。今日の産経新聞朝刊に掲載されていてる観戦記は、二次予選の佐々木勇気七段と八代弥七段による一戦。それぞれの師匠の言葉が印象的です。こちらも勝又七段が執筆しました。

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対局開始

定刻の10時、対局が始まりました。渡辺名人は腕組みをして目を閉じ、険しい表情で少しの間そのままの姿勢でした。消費時間には1分が記録されましたが、対局室では長い時間に感じられました。

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朝の対局室

本局は特別対局室で行われます。永瀬王座は9時30分前には対局室に姿があり、渡辺名人は9時40分ごろに入室しました。振り駒の結果は歩が4枚。渡辺名人の先手に決まりました。

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動画中継

本局の模様はABEMAで中継されます。解説はありません。

■ABEMA
https://abema.tv/channels/shogi/slots/Cwn9FoV6D3vfC3

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挑戦者決定戦、4月25日に対局

第93期ヒューリック杯棋聖戦は藤井聡太棋聖への挑戦権を争う挑戦者決定戦が行われます。決勝トーナメントを勝ち上がったのは渡辺明名人と永瀬拓矢王座。2期連続で同じカードになりました。渡辺名人が前期に続いて棋聖奪還を目指すか、永瀬王座が第87期以来2回目の棋聖挑戦を決めるか。対局は4月25日(月)、東京・将棋会館で10時開始。持ち時間は各4時間。先後は振り駒で決定します。

インターネット中継は棋譜・コメント入力を銀杏、ブログを文が担当します。

【将棋 - 産経ニュース】
http://www.sankei.com/life/newslist/shogi-n1.html

【ヒューリック株式会社】
https://www.hulic.co.jp/

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2021年7月 4日 (日)

一夜明けて

五番勝負終幕から一夜明けて、改めて藤井棋聖にインタビューが行われました。

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【主催紙インタビュー】

――一夜明けまして、改めて初防衛についてのお気持ちと、昨年初タイトルを獲得されたときとの違いについてもお願いします
藤井「昨年の棋聖戦はタイトル戦自体、初めての経験で、なかなか実感が湧かないところもありました。今回は防衛戦ということで、タイトルの重みを感じながらの戦いだったので、その中で結果を出せたのは大きかったと思います」

――(今朝の会見で)「初心」と色紙に書かれましたが、どのようなお気持ちで揮毫されたのでしょうか。
藤井「今回防衛することができましたが、そういった結果に満足することなく、初心に戻って前を向いていきたいという気持ちを込めました」

――第3局を終えた昨夜は、ぐっすり眠れましたか
藤井「昨日は12時頃に寝て、7時頃に起きたので、普段と同じように7時間くらい寝ることができました」

――昨夜の対局のことは考えられたのでしょうか
藤井「終盤が難しかったので、その辺りのことは少し考えていました」

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【各社インタビュー】

――以前、相対的に強くなるのではなく、絶対的になりたいとインタビューでおっしゃっていました。藤井棋聖にとって強さとは、どのようなものを指すのですか
藤井「ほかの方との比較ではなくて、それぞれの局面において、より最善に近づいていきたいという気持ちがあります」

――昨夜、あるいは今朝、師匠(杉本昌隆八段)やご家族には何かお話しされたのでしょうか
藤井「こちらからは連絡していないのですが、師匠からは「おめでとう」と連絡をいただきました」

――各社の取材で、師匠が(先に九段昇段を決めたことについて)「ずるい」とおっしゃっていました。そのことについては、いかがでしょうか
藤井「(将棋界では)師匠以上の活躍をするのが「恩返し」といわれるので、今回こういった結果を出せたことは、いい報告になるのかなと思います」

――和服での対局はなれましたか。また、和服のこだわりはありますか。
藤井「回数も増えて、なれてきたところはあると思います。着付けについては今後、覚えていければと思っています。タイトル戦となると、和服は注目していただけるポイントかなと思っているので、ある程度、自分の個性を出していければと考えています」

――冒頭のインタビューで「タイトルの重みを感じながらの戦い」という表現がありましたが、それはいい意味で作用するのか、それともマイナスになるのか、その辺りについては
藤井「そういった気持ちがプレッシャーになってしまうとよくないと思いますが、今回の棋聖戦に関しては、ほどよい緊張感の中で戦うことができたのかなと思います」

――コロナ対策をしながらのタイトル戦で、ファンとの接触の機会が少ない状態が続いています。そのことについてと、感染対策をしなくてもよい時期がきたら、こんなふうにしていきたい、という思いがあったら教えてください
藤井「昨年からタイトル戦の前夜祭なども難しい状況になり、ファンの方に楽しんでいただく機会が減ってしまったことは残念に思っています。その中で、インターネットの中継というのが非常に充実してきている状況もあるので、いままでと違った形で楽しんでいただく機会は増えてきたのかなと思っています。今まで自分は前夜祭などのイベントは経験があまりないので、そういったものが開催できることを心待ちにしています」A7304007

以上で、第92期棋聖戦五番勝負の中継を終わります。ご観戦ありがとうございました。

(玉響)

記者会見

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【主催紙インタビュー】

――将棋界には、「タイトルを防衛して一人前」という言葉があります。見事、防衛されましたが、その感想をお願いします
藤井「今期の棋聖戦は、渡辺名人を挑戦者に迎えるという形になって、自分にとって試練といえる五番勝負と思っていたので、その中でなんとか防衛という結果を出せたのはうれしく思います」

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【各社インタビュー】

――渡辺名人というトップ棋士を迎えて、去年は3勝1敗、今年は3勝0敗でストレート勝ちという結果になりました。そのことについてはいかがですか
藤井「今回の棋聖戦は第1局から第3局まで、どれも苦しい部分があったと思うので、3連勝というのは実力以上の結果が出たのかなと思っています」

――昨年、棋聖を取ってタイトル保持者になられて1年がたちました。今日、改めて防衛されて、ご自身で変わった点や、成長したなと思うところがあれば教えてください
藤井「タイトルホルダーになったことでトップ棋士の方と対戦する機会が格段に増えて、成長した実感というよりは、新たな課題が見つかることのほうが多かったと思います。それも成長につなげていければと思っています」

――今日で九段になられたということでお聞きしたいのですが、三段から四段に上がったときを振り返って、そのとき九段に対してどのようなイメージをお持ちでしたか。また、九段になるまでどのくらいかかると思われていましたか
藤井「九段になると実績のある方ばかりという印象でした。自分もそこに加わることができたのは、うれしく思っています。昇段の規定はいろいろあるので、そのような(どのくらいで九段になれるか)イメージはなかったです。

――今後の具体的な目標や、将来的なビジョンはありますか
藤井「タイトル数とか具体的な数字は意識していなくて、それよりも対局の内容をよくしていきたいと思っています」

――藤井棋聖は記録であるとか、数字であるとか、段位であるとか、勝負の世界に生きるものであったら誰もが追い求めるものに、あまり興味を示されないかと思います。それはどうしてでしょう
藤井「結果ばかりを求めていると、それが出ないときにモチベーションを維持するのが難しくなってしまうのかなと思っています。内容を重視して、1局指すごとに新しい発見をして改善するというのがモチベーションにつながると思っています」

――よく「強くなりたい」という言葉をおっしゃっていますが、そういった思い、将棋の真理を追うといいますか、それを目指していくお気持ちというのは
藤井「これまで公式戦で200局以上、指したと思いますが、その中でも完璧に指せたなという将棋は1局もないですし、自分が強くなることで、いままで見たことがないような景色を見ることができたらなと思っています」

――1年前と比べて、ファンや地元の方を意識した言葉が多くなったように思いますが、その辺りについては

藤井「タイトル戦に出るようになってから、いろいろな方のおかげで将棋が指せるんだなという意識が強くなったところはあると思います」

――今回の棋聖戦で3連勝できた勝因は、どのように考えていますか
藤井「勝因というのは難しいんですが、第2局と第3局はこちらの持ち時間が少なくなって時間に差がつく場面がありましたが、そういった状況で粘り強く指すことができたのかなと思っています」

――第1局と第2局は相掛かりでしたが、昨年までは先手番でその戦型にしていなかったと思います。何か戦法の幅を広げるというような意識があったのですか
藤井「1年ほど前まで(先手番で)角換わりの割合がかなり高かったですが、いろんな戦型を指したほうが、面白いのかなと思っています」

――終局直後のコメントで「防衛して一人前」という大山康晴十五世名人の言葉があり、防衛の難しさを語ったものだと思いますが、実際に防衛を果たされたいま、改めてどう感じていますか
藤井「今回防衛戦で結果を出すことができましたが、それで一人前になったかというと、そういう意識はなく、今回の五番勝負で改善できるポイントがいろいろあったので。防衛してホッとしているところはありますが、それに満足することなく、やっていきたいなと思っています」

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(玉響)

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